表紙 毎年恒例の給料特集。今年も昨年の特集に引き続き、私たちに馴染みが深い職業を対象に、推定年収をはじき出しました。新鮮味を出すため、Jリーガーやプロゴルファーも対象に加えています。サッカー人気に伴って、Jリーガーの年収は増えているようです。

 その一方で、プロ野球選手は観客動員数の減少し、プロゴルファーも企業スポンサーが減って、今年は収入減となりそう。Jリーガーは平均引退年齢は26歳とか。それに比べて、プロ野球は長いといっても30代の後半になるときつそうです。ケガしたらお終いだし、先の補償もない。大変な世界だけど、個人的にスポーツ選手には憧れを持っています。

 簡単になれるわけではないけど、いま何かと話題の多い国会議員も取り上げました。お給料(歳費)は2000万円を少し超えるぐらいでも、いろいろと特権があるようで、5億円をため込んだつわものもいるというから驚きました。やはり庶民感覚とはずれています。「まじめに政治活動をしていれば、それでも足りない」という声もあるようですが、「真面目にやっているのはごくわずか」と代議士も証言しています。

 読者から是非取り上げてほしい、という要望が多かった「官民格差」についても、調査しました。生涯賃金、退職金、年金、住宅(官舎)を民間と比較してみました。やはり、公務員は恵まれてますね。職員の退職手当も借金(退職手当債)で捻出できるというから、うらやましい限り。そのツケは住民が払うんですけど。

 後半のページでは、上場企業の従業員と役員の年収を掲載しています。全上場会社のトップは不動産ファンド会社のダヴィンチ。年収1億円超の社員が3人、平均年収は1793万円、しかも平均年齢は34歳。すごいですね。メーカーでトップはキーエンス。平均年収は1386万円ですが、平均年齢は32歳という若さ。センサーの商売って、そんなに儲かるのでしょうか。業種別にみると、鉄鋼や海運の伸びが高い。やはり、業績がよくならないと、給料は増えないということです。

 ただし、いま高いからといって、将来も安泰とは言えません。事実、私がこの会社に入った頃は、大学の同期と比較して給料は高いほうだったのに、この10年ほとんど上がっていません。出版不況はどうにかならないのでしょうか。副編集長(管理職)も残業代がほしい。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 田中久夫)

※週刊ダイヤモンド2007年10月6日号は一部地域を除き10月1日発売です