ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

IT界の熱きリーダーが山形の廃校に集結!
「熱中小学校」のユニークな授業の数々

大河原克行
【第105回】 2015年11月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

 入学式では、図工の授業として、自らが半年間使用する木の椅子を生徒全員が製作。パンフレットを使って、紙飛行機を作り、誰が遠くまで飛ばすことができるかを競った。

 また、運動会や音楽会のほか、ドローンを利用した授業、学校の近くにある耕作破棄ぶどう畑の再生なども、授業の一貫として取り組んでいくことになるという。

介護老人保健施設みゆきの丘施設長の仙道富士郎氏

 11月14日に開催された2015年度3回目の授業では、約40人の生徒が参加。一時限目の保健では、元山形大学学長であり、介護老人保健施設みゆきの丘施設長の仙道富士郎氏による「南米パラグアイとの30年のつきあいから」と題した授業が行われ、1987年から現在に至るまでの自身のパラグアイとの交流や、そこで得た経験を写真を交えて紹介。そのなかで、現地における日系人社会の様子や海外の厳しい生活環境の実態を語る一方で、仙道氏のパラグアイに対する熱い思いが語られた。

「働き方」について授業を行ったサイボウズの青野慶久社長

 2時限目の生活では、サイボウズの青野慶久社長が、「働き方の多様化」と題して、サイボウズの経営手法や勤務制度などについて説明。残業をなくし、帰宅時間を自由に設定したり、自宅で働ける環境を整えたことで、かつては28%だった離職率が4%台に下がったことを紹介したほか、サイボウズとともに別の会社に勤務できる複業家制度などのユニークな仕組みの導入に驚いた生徒もいた。

 青野社長は、「多様な働き方をするためには、情報を共有するためのツール、在宅勤務や育児休暇などの制度、多様性を重視するような風土が大切である」としたほか、東証一部上場企業の社長である自らが3回の育児休暇を取得し、社員にも何度も育児休暇を取れるようにしたり、育児休暇を長期間化していることを紹介。「子供が少なくなることが大きな社会問題。だからこそ、企業も育児というところから取り組んでいく必要がある」と指摘した。

「非道徳のすすめ」の授業を行った久米繊維工業の久米信行会長

 また、三時限目の道徳では、国内でTシャツ生産を行う久米繊維工業の久米信行氏が、「非道徳のすすめ」として授業を行い、祖父から聞いた関東大震災の際に、避難所に逃げ込んだ人たちが焼け死んだ事例をあげながら、「道徳的に考えれば避難所に逃げ込むのが正しい。だが、最後は自分で決めることが大切。良い道徳にも、悪い不道徳にも耳を貸すが、いいあんばいを見つけることが大切だ。これを非道徳とする」としたほか、「同じ鋭利な刃物も、メスとドスでは使い道が違う。使い方だけで良くもなり、悪くもなる。一面から見るのではなく、発想を転じて見ることが知恵になる」とした。また、「新しいものは怪しく感じるものだ。常識に縛らずに自由に発想することが必要だ」などと述べた。

 参加者からは、普段は聞くことができない講義内容に対して高い評価が集まっており、とくに、女性参加者からは、サイボウズ・青野社長による男性の育児休暇取得や、イクメンと呼ばれる男性による育児の内容に対して、「女性よりも、ぜひ多くの男性に聞いてほしい内容だった」という声があがっていた。

次のページ>> 各地に展開
previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

大河原克行


IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧