販売促進は本当に効力を失ったのか?
前回の私の記事では、営業戦略について述べましたが、今回は現在の時流に即した、売上に直結する「販売促進」にフォーカスして話をすすめていきます。
現在、日本の景気はやや回復してきたかに見えます。しかし、これは好調な輸出に支えられたものであり、その回復してきた輸出に関しても、リーマンショック以前の7~8割程度といった状態です。また、国内消費もやっと底を打った感が出ていますが、デフレの圧力はまだ高く、「客数は戻ってきたが売上の伸びがまだ見込めない状況」といえるでしょう。つまり、国内はまだ不景気の流れにあると考えて行動した方がよいようです。
では、このような環境下でも成功する販売促進法とはどんなものなのでしょうか。
まず、前提として覚えておいていただきたいのは、販売促進の方法は、好景気と不景気で大きく考え方が変わるということです。
近年、小売やサービス業の現場で「販売促進の効力が落ちている」という言葉をよく耳にします。確かに、不況の影響による売上減少に伴い、経費削減のために販売促進料を削減している企業が目立ちます。販促料が少なくなるため、顧客の集客力はダウンし、現場の活気がなくなる影響で、さらに売上が減少してしまうという『悪のスパイラル』に入ってしまっている企業も多いようです。
ただし、ここで誤解してはいけないのが、販促料を減らされたからといって「販売促進の効力が無くなった」訳ではないということです。販売促進には、“タイミング”と“ターゲット”の問題が深く関係しています。このことを理解した上での施策が非常に重要です。
カギは時期の「ピンポイント化」と
現場への権限委譲
まず、重要視すべきは販売促進の“タイミング(時期)”です。下図を見てください。好景気は、物が売れる時期が比較的長く続きます。そこで、そのタイミングに合わせて、何度も販促を実施し、それなりに効果も見込めます。
しかし、不景気においては、不必要なものは買わない、必要な時にしか買わないという行動が顕著に表れます。そのため、需要期の山が短く急になるため、販売促進のタイミングを誤ると、効果がほとんど見込めなくなります。