中国人客獲得に何より大事な「スマホ対応」

 これまで、「観光」と「買い物」の2つの観点から、今年の国慶節に見られた訪日中国人の最新動向事例をお伝えしてきたが、この両方に共通するもっとも大きな彼らの行動変化がある。それは「スマホ」の普及だ。

 訪日中国人の検索動向を分析すると、2014年はPCとスマートフォンの情報検索数に大きな差はなく、ほぼ半々となっていたが、今年に入り、スマートフォンによる検索量が大きな伸びを見せている。特に来日前~来日中を通じてのスマホ利用が顕著に増加していることがわかっている。なお、PCの検索数が減っているわけではなく、純粋にスマホでの検索数が上乗せされている形だ。

 旅行先での行動においてスマホが手放せないツールとなっていることは、まず日本のハブ都市である東京に着いてから、その後のプランはその場で検索、自分の好きなように調べた情報に基づいて行動する、という行動や個人旅行の拡大にも明確に現れている。東京から他の地方へ出かけるときにもスマホによる情報収集は一般的だし、買い物する商品や場所を選ぶ際にも、スマホの活用はもはや前提となっている。

 こうした訪日中国人を獲得していくための「スマホ対応」、具体的には来日の「前」と「後」のそれぞれで、次のような取り組みを行うことが重要だ。

 まずは「店舗に来る前」の情報接触機会をつくること。来日前や日本についてからの情報検索時に、自社の情報に触れてもらうことで、観光客は安心して商品購入に進むことができる。

 そして次に、帰国後に自国から再訪できる「越境EC」の整備だ。せっかく店舗を気に入られたとしても、再度日本に来るまで接触機会がないことは非常にもったいない状態だと言える。その際有効な手法としては、ECサイトにアクセスできるQRコードの配布が挙げられる。日本ではまだまだ活用が進んでいない印象が強いQRコードだが、中国では非常に普及が進んでいるサービスだ。

 今や日本の事業者にとって重要な役割を占めることとなった訪日中国人の購買行動。彼らの情報収集行動から得られるデータを通じて、私たちは最新のリアルな姿に触れることができる。読者の皆様が彼らのデータをうまく活用し、刻一刻と変わる訪日中国人動向に適切な対策をと取り組まれていくことを願う。