日本は中国とインドの陰に隠れる?

中国の生産年齢人口は、2016年に9億9400万人とピークに達し、2030年には約9億6100万人まで減るだろう。

これに対してインドの人口動態はもっと有利だ。生産年齢人口がピークに達するのは2050年頃で、規制緩和、大規模なインフラ整備、質の高い教育の拡充といった改革を実行すれば、成長を長期的に後押しできる。もう一つ重要なのは、インドが今後もパキスタンに対して相対的優位を固めると見られることだ。インド経済はすでにパキスタンの8倍近く、2030年には16倍を超えるだろう。

日本は中国との差が拡大しているが、「中の上」程度のパワーを維持するだろう。ただし大規模な構造改革を実行すれば、という条件がつく。日本は政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化、不安定な政治情勢に対処する必要がある。

人口が減るため、出稼ぎ労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要にも迫られるだろう。ただ、日本人は外国人の受け入れに消極的なため、この問題はなかなか乗り越えられないだろう。高齢者が増えて、医療業界と住宅業界は成長に拍車がかかるだろう。

労働人口の減少は行政サービスや税収に大きな負担となり、増税が余儀なくされる一方で、消費財の物価押し下げ圧力が高まり、企業は厳しい競争にさらされるだろう。日本の輸出産業は構造改革が続き、ハイテク製品、高付加価値製品、情報技術に重点が置かれるようになるだろう。