「収録中は言いませんでしたけど、じつはこんなひどいこともあってね……」
「あのときは『もう人生終わった』と思いましたよ……」
「信頼していた人にも裏切られて、本当に理不尽な思いをしました……」
失敗を忘れようとしたり、なかったことにしようしたりする人は、いいリーダーになれません。
傷つき、悔しい思いを持ち続けているからこそ、同じ失敗を2度とするまいと心に決められるのです。
「リーダーは嫌われ役」を
信じてはいけない
「リーダーには嫌われる覚悟が必要」「リーダーは孤独である」といったリーダー論を聞いたことがあると思います。
しかし、「せめて組織やチームのメンバーからは好かれたい」―そんなふうに思うのは自然なことですし、現実問題としてプロジェクトなどは、メンバーとリーダーのあいだに信頼関係がなければ、まずうまくいきません。
そして何よりも、ビジョンが共有されていなければ、そのプロジェクトは、魂の入らないただの形式的なものに終わってしまいます。
たしかに大きな挑戦につながるプロジェクトを担うリーダーほど、残念ながら、みんなから好かれる存在にはなりにくいものです。
より長期的なメリットを念頭に置いた変革を起こそうとするリーダーは、たいていの場合、既得権益を手にしている人たちを敵に回すことになります。あの手この手で足を引っ張られ、誹謗中傷のなかで孤独感に苛まれることもあるでしょう。
それほど大げさなことでなくても、組織・業界のなかで何か新しいチャレンジをしようとするときは、自分たちの地位が脅かされるのを恐れた他部署や他社から、妨害を受けることもあるかもしれません。