提言2:生き残りのために労使が
未来志向で成長戦略を共有せよ

 第2は、未来志向で労使間で成長戦略を共有することだ。既に見た通り、人手不足で人材の有効活用が必要になるなか、新たなビジネスチャンスも生まれつつある。特に不確実な環境下、企業が生き残るには新たな成長戦略を描き、不採算事業・衰退事業を整理し、収益事業・新規事業に人員をシフトしていくことが不可欠になる。それには従業員が新たな能力の習得やスキル転換が求められ、働き手サイドの主体的な取り組みが前提になる。

 その意味で、労使間で成長戦略のビジョンを共有することが、数年以内のベア1%達成目標の設定と表裏一体で進めなければならない。

提言3:労働市場改革を労使間で
自主的に議論し政府に要請せよ

 第3に、労使間で労働市場改革を自主的に議論し、政府に要請を行うことである。労働人口減少時代に生産性向上を実現するには、限られた人的資源の効率的活用に向けて、既存事業から新規事業への労働力の移動が従来以上に必要になる。

 それにはまず一企業内での労働移動が優先されるべきであるが、かつてのように新規事業拡大を既存事業の縮小に優先する余裕がなくなるなか、企業を跨ぐ労働移動を増やす必要性が高まっている。その円滑化のためには、企業を跨ぐ形での、基本スキルの共有化や人的ネットワークの形成が必要であり、ジョブマッチング機能の強化が求められる。

 まずは労使間での自主的な取り組みが始まり、その実現に向けて政府に要請を行う形で、政労使会議を再開することが望まれる。