コンペの前日は、練習場に行かない(練習しない)。これが一般アマチュアの必勝法の1つです。「明日のコンペに向けて、球をたくさん打って調整しておきたい」という気持ちはわかりますが、普段あまり練習しない人が前日練習をしても、本番に結び付かないことが多く、逆効果になることもあるのです。
練習場に行った場合、調子がいいときと悪いときがあります。調子がよければ気分よくコンペに臨めますが、本番ではナイスショットを期待し過ぎて、余計に力が入ってしまいます。反対に、調子が悪いと不安だけが大きくなって、本番で当てるだけのスウィングになりがち。どちらにしても、いい結果にはなりません。前日練習が効果的なのは、日頃からまめに練習をしている人です。
コンペ当日の朝も同じことです。ストレッチとウオーミングアップを兼ねて、軽く「ショット練習」をする(その日の調子をつかむ)のはいいですが、フォームを修正する「スウィング練習」はダメ。本番直前に技術的な部分を直そうとしても、スウィングのリズムが悪くなるだけです。
朝の練習では、実際に球を打たず、「空気の球」を打ちましょう。
空気の球というのは、ショットをイメージした仮想の球です。練習場に設置してある50ヤードや100ヤードの看板を目がけて、空気の球を打ち、それがベタピンに寄るショットを頭の中で思い描くのです。
そうやって空気の球を打つと、いいイメージだけが残り、気分よく本番を迎えることができます。これがとても大事なこと。実際に球を打つと、ミスショットが出たときに悪いイメージがついてしまいがちです。それを極力避けることが朝の練習の大きなポイントです。
ショット練習をしたあとに、空気の球を打って、練習を仕上げてもOK。もちろんこれはコンペだけでなく、通常のラウンドにも当てはまります。スタート前のちょっとした工夫で、スコアアップが可能になるのです。
(取材・文/小山俊正)