60回のケース・インタビューをクリアし、
6社の採用通知を勝ち取った!
私は、外部からはエリート集団と見られている戦略コンサルティング業界の内部に「潜入」し、そこで働いている人々に、ケース・インタビューがどのように行われているのかを教えてほしいと頼んでまわった。
何百時間も費やした後にようやく、ケース・インタビューがどのようなプロセスを経るか、という全体像をつかめるだけの情報を得ることができた。そのとき、ケース・インタビューをうまく乗り切る方法を知るためだけに、こんなに多大な労力をかけるべきではなかったと思ったことを、今でも覚えている。
1年間で何百時間もケース・インタビューについて学び、約50回に及ぶ友人との模擬面接を行った後、私はマッキンゼー、べイン、BCG、ブーズ(現ストラテジー・アンド)、オリバー・ワイマン、L.E.K.コンサルティング(L.E.K.)、モニター・グループ、A.T.カーニーといった戦略コンサルティング・ファームの面接を受けた。
このうち、私はマッキンゼー、べイン、オリバー・ワイマン、L.E.K、モニター・グループ、A.T.カーニーの計6社から採用通知を受け取った(ブーズは最終面接を自ら辞退し、BCGは1次面接で不合格だった)。
延べ61回のケース・インタビューを受けて、うち60回をクリアし、最終的に私はマッキンゼーに入社することにした。その年、スタンフォード大学からは約400名の学生がマッキンゼーに応募したが、採用通知を受け取ったのは6名のみであり、合格率は1.5%だった。事前にこの数字を知っていたならば、私は怖じ気づいて応募すらしなかったかもしれない。
ケース・インタビューに対する私の考え方を形成したのは、就職時期の成功体験のみではない。実際に戦略コンサルタントとして働いた経験にも基づいている。マッキンゼーにおいて、私は成長株の1人であり、志望者へのケース・インタビューも担当した。
マッキンゼーの同期には全世界で約100名のアナリスト(大学新卒者に与えられるポジション)がいたが、2年後にアソシエイト(MBA、博士課程卒業者に与えられるポジション)へ昇進したのは10名のみだった。
残りの90名は、退職もしくはビジネススクールへの進学の意向を尋ねられるか、引き続きアナリストとして働くことを命じられた。私は全世界で上位10%のエリート集団に含まれており、24歳という年齢は、マッキンゼーの歴史上で最も若いアソシエイトの1人だった。
この昇進プロセスを通じて、私は戦略コンサルティング・ファームがどのように運営され、戦略コンサルタントが日ごろどのように考えているかを学んだ。また、ケース・インタビューを行うコンサルタントが、なぜ面接であのような質問をするのかも理解した。
戦略コンサルタントの仕事がどんなものかを理解している志望者は、コンサルティング・ファームが何を求めているかを、より正しく知ることができる。本書ではこうした知識を紹介していく。
続きは、3月23日公開予定です。