なぜ、日本では3組に1組が離婚してしまうのか? 新刊『こじらせない離婚』が話題の女性弁護士と、男女のコミュニケーションを熟知した心理カウンセラーが、離婚しないためのポイントをあぶりだしていく特別対談、第2弾。
(構成・佐藤友美/撮影・竹内洋平/聞き手・今野良介)

第1回
夫「誰が食わせてやってると思ってる!」妻「いや、財産半分私のものです」
――五百田達成×原口未緒「離婚しないための心理学」対談(第1回)

「相手を苦しめてやる!」と
「慰謝料ふんだくってやる!」は両立しない

 __『察しない男 説明しない女』には、「多くの女性にモテたいのが男の本能」という話がありました。浮気が男の本能的な欲求だとしたら、それをどうにかしないと離婚も減らないと思うのですが、お二人は「浮気と離婚」についてどうお考えですか?

五百田達成氏(以下、五百田)実際に、浮気が原因で離婚にいたるのは全体の何割くらいですか?

原口未緒氏(以下、原口)多いと思いますよ。私の感覚では6〜7割がそうじゃないかなと思います。

五百田:でも、離婚理由の上位に「性格の不一致」が挙げられることは多いですよね。つまり表沙汰にはならないけど、実は、性格の不一致の原因になっているのは浮気、ということなのでしょうか?

原口:おっしゃるとおりだと思いますよ。

___『こじらせない離婚』でも、夫に浮気された女性のエピソードが出てきます(→webで公開中です)。男性に浮気されたときの女性の心理はどんなものなのでしょうか?

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『こじらせない離婚』(原口未緒[著]、ダイヤモンド社、1,400円+税)

原口:まずは「裏切られた」。この気持ちが一番強いですね。「家事に出産に育児に、私が大変な思いをしているとき、あなたは浮気をしていい思いをしていたのね」と。

五百田:生理的な嫌悪感もありそうです。他の女と一緒だったなんて「不潔だ」「気持ち悪い」みたいな。実際に原口さんは、夫に浮気されたと相談にくる人たちに対してどんなアドバイスをしているのですか?

原口:もし、離婚して慰謝料をたくさんもらいたいのであれば、「できるだけ早く決着をつけたほうがいい」と伝えます。離婚までの期間と、慰謝料は反比例する傾向にあるんですよ。

__書籍の中では、「3ヵ月を目安にしなさい」とありました。

原口:期間が長引けば長引くほど、相手の男性はお金を払わなくなっていくんですよね。「離婚まで長引かせて苦しめてやる」と「できるだけ慰謝料をとってやる」は、両立しないわけです。

五百田:『こじらせない離婚』でなるほどと思ったのは、浮気をされたときにもらうお金は、慰謝料ではなく、「支度金」と考えなさいというところです。

原口「慰謝料=心の傷を埋めるお金」と思うと、いくらもらっても納得いかないんですよ。「私の心の傷はこんな値段じゃない!」って思ってしまうから。そうではなくて、「離婚後の人生設計を考えるとこれくらいの金額が必要だから、支度金としていくら欲しい」と言うと、ご主人に対して説得力のある金額になります。そうすると、結果的にスムーズに着地することが多いんです。