数字は見せずに、すべて「頭の中」にインプットする
他のチームのプレゼンも数多く見て意見交換をしたが、プレゼンというものは、中身が魅力的であることは言うまでもないが、それ以上にプレゼンターの熱意や情熱、本気度、がプレゼンに魂を入れ、相手を感動させると強く感じる。
具体的には、「自分は何をしたいのか」という目的を考え抜くことが重要だ。
「事業がしたい」のか、「業界を変えたい」のか、「世界にいい影響を与えたい」のか。自分の中で目的が詰め切れていないと、絶対にいいプレゼンにはならない。
さらに、伝えたいことを限りなくシンプルにしていく。内容を徹底的に削ぎ落とし、相手が最も消化しやすい見せ方にする。
えてして数字や調査データなどを見せたくなってしまうが、そうした数字はすべて頭の中にインプットしておき、聞かれたら正確に答える準備をしておく。事前に、あらゆる角度からの質問をシミュレーションしておくのだ。
そのうえで、情熱を持ち、そのプランを信じ抜く。人間同士のやりとりなので、最後はそういった本気が相手を動かすことになる。それゆえプレゼンテーションの成否は、「プレゼンテーションの中身×プレゼンターの人となり(プレゼンス)」と言えるだろう。
そんな信頼感、説得力のあるプレゼンス=エグゼクティブ・プレゼンスこそ、いまグローバル企業において最も重視されているものである。
(本原稿は、『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている一流の頭脳の磨き方』より抜粋して掲載しています)