「人生を変えたい」「夢を実現したい」と思う人は多い。しかし、一体どれだけの人がその実現に向け努力しているだろうか。現役の経営者で陽明学者の加地太祐氏は、「成功するためには、何より実践が大事」と説く。本連載では、加地氏の初の著書『成功する人の考え方』の内容をベースに、成功に必要なポイントをお伝えする。会社が倒産するかしないか、それを決めるのはなんだろうか。
倒産して姿を消した友人
成功する人と言っても、全員が順風満帆で成功し続けている訳ではない。
時には地獄のように追われる日々が続いたり、負けが続く場合もある。
そんな実体験を僕に話してくれた成功する人も、そのひとりだった。
彼は数年前、小さな建設会社を経営していた。
毎日、日銭を追いかけながら複数の現場を掛け持ち、資金繰りに追われていた。
彼には、プライベートが無いほど忙しかった。
忙しい理由は、新しい案件だけではない。
過去の工事のクレームや、手直しが毎日のように入ってくる。
それでも会社は潰れずに生きていた。資金繰りに追われたり、人材の手配に苦しんでも彼は毎日努力していた。
このままでは「会社は大きくならない」
そんなことは理解していた。
ただ、将来の事を考えるほど、毎日に余裕はない。
そしてある年の夏、会社は倒産した。
彼は大切な家族と、目の前にある金品を持って僕らの前から姿を消した。
しかし、現在の彼を見れば、誰も過去に会社を倒産させたことがあるなんて思わないだろう。
それほど成功している彼が、ある時、僕にこんな質問をした。
「僕が前の会社を倒産させてしまったのは、なぜだと思う?」
会社が倒産するたったひとつの理由
「会社が倒産する理由は、たったひとつなんだ」
そう言ってスマートフォンの写真を僕に見せた。
そこには破産通知書と書かれていた。
「僕は諦めたのよ。まだ継続するお金はあったけれど弁護士費用に充てたんだ」
彼は会社を継続することを諦めたという。
乗り越える力があるのにもかかわらず、目の前の現実から逃げたのだ。
僕らは、挑戦するしないにかかわらず、常に問題を抱えている。
それはカラダの不調だったり、家族の問題だったり、資金不足だったり様々だ。
彼の能力は誰にもわからない。
成功するチカラを持っているにも関わらず、それを発揮できずに終わる人を僕らは沢山知っている。
でも、本当にそれで良いだろうか?
1回しか無い人生で、点数を付けることができるのは他人では無く自分自身に他ならない。
諦めるも継続するも、僕らの意思にかかっている。
「諦めたから会社は倒産した」
継続できるかどうかは、資金が尽きたときに決まるのではない。
僕らの精神が負けを認めたときに決まるのだ。
1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従業員に「給料を数ヵ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのにもかかわらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヵ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。この人生のどん底のときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。彼らを黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調 に業績を伸ばす。
2015年2月6日、交通事故に合い5日間意識不明に。6日目に目覚めたとき、「このまま死んだら僕はこの世界に何も残していないことになる」と愕然とする。
それがきっかけで、スタッフや愛する娘たちに残せるのは「言葉しかないのだ」と悟り「成功する人の考え方」の連載をスタート。純粋に言葉の力を試すために名前をふせたままスタートするも幸運にも支持を得て開始8ヵ月で3万いいね!を突破。月間リーチ数250万人の人気ウェブサイトに成長する。年間1000人以上の経営者と対話し、会社経営を行う傍ら、1人でも多くの成功者を世に出したいと、日夜、記事の執筆に精力を注いでいる。山田方谷を学ぶ実践塾「方谷 塾」塾頭、陽明学者。
所属団体
・盛和塾<大阪> 世話人。稲盛和夫の経営者塾世話人
・EO Osaka<Entrepreneur Organization>理事。アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体
成功する人の考え方HP http://ekusia.com/
フェイスブックページ https://www.facebook.com/seikousuru/
※本連載は今回で終了します。
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