「人生を変えたい」「夢を実現したい」と思う人は多い。しかし、一体どれだけの人がその実現に向け努力しているだろうか。現役の経営者で陽明学者の加地太祐氏は、「成功するためには、何より実践が大事」と説く。本連載では、加地氏の初の著書成功する人の考え方の内容をベースに、成功に必要なポイントをお伝えする。今回は、成功する要因について。

体力や知力は成功の要因ではない

 キミはテレビや雑誌で成功者を見つけるとこう思ったことはないだろうか?

「彼らはきっと頭が良く、体力にも恵まれたから成功したんだ」

 確かに多くの成功する人はバカではないし、健康である人も多い。

 しかし、多くの成功する人は知っている。

「知力や体力」は、成功の要因にはならないのだ。

 この世には、天才と呼ばれる頭脳明晰な人が沢山存在する。

 そんな頭脳明晰な彼らは、常に成功する人になるために時間を使っているかというとそうではない。

 ある人はプライベートを充実させるために頭を使ったり、ある人は何でもない携帯ゲームに頭を使ったりする。

 体力も同じだ。

 溢れるほどのエナジーを持つ彼らも、成功する人になるために24時間を注ぎ込む人は少ない。

 体力があるのに昼寝ばかりしたり、目的もなくごろごろしたりして大切な時間は過ぎていくのだ。

 つまり、いくら優秀な潜在能力を持っていようと、実践に至る決定力が存在しなければ潜在能力は無力となる。

 では、決定力とは何か? それは情熱である。

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体力と知力を凌駕する情熱

 知識を測るテストや体力を測る体力テストなどは、子どもの頃から頻繁に行われる。しかし、情熱をコントロールする人は少ない。

 人間には目には見えない情熱の熱量が存在する。

 例えば、燃え上がるような情熱があるときや、凍えるような冷めた状態の時は誰もが感じた事があるはずだ。

 また、情熱の貯蔵庫も一人ひとり質感が違う。

 ある人は熱しやすく冷めやすかったり、ある人は熱しにくいが冷めにくかったり。

 これら貯蔵庫の質感と熱量を計ることが出来なければ、持って生まれた潜在能力は役に立たない。

 なぜ、自分はこれほどやる気が出ているのか?

 どうして今日はやる気が出ないのか?

 この情熱のバロメーターを感じ、そして情熱に影響を与えている原因を探るのだ。

 成功する人は、自分の情熱をまるで銀行口座のお金を管理するように意識している。そして、常に情熱を満たすように努力するのだ。

 成功する人は知識や体力を情熱によって使いこなす。

 それがどんな壁でも乗り越える成功する人の秘訣なのだ。

加地太祐(かじ・たいすけ)
1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従業員に「給料を数ヵ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのにもかかわらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヵ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。この人生のどん底のときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。彼らを黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調に業績を伸ばす。
2015年2月6日、交通事故に合い5日間意識不明に。6日目に目覚めたとき、「このまま死んだら僕はこの世界に何も残していないことになる」と愕然とする。
それがきっかけで、スタッフや愛する娘たちに残せるのは「言葉しかないのだ」と悟り「成功する人の考え方」の連載をスタート。純粋に言葉の力を試すために名前をふせたままスタートするも幸運にも支持を得て開始8ヵ月で3万いいね!を突破。月間リーチ数250万人の人気ウェブサイトに成長する。年間1000人以上の経営者と対話し、会社経営を行う傍ら、1人でも多くの成功者を世に出したいと、日夜、記事の執筆に精力を注いでいる。山田方谷を学ぶ実践塾「方谷塾」塾頭、陽明学者。
所属団体
・盛和塾<大阪> 世話人。稲盛和夫の経営者塾世話人
・EO Osaka<Entrepreneur Organization>理事。アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体
成功する人の考え方HP http://ekusia.com/
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※次回は、5月18日(水)に掲載します。

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