あなたはヨガと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか?「女性がやるもの?」「インド人がやってるもの?」「体がやわらかい人がやるもの?」そう思うかもしれないが、そうではない。
ヨガとは4000年以上前に人類が発明した、心身を鍛える最強のエクササイズなのである。
ダイヤモンド社より発売され、早くも反響を呼んでいる『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』よりその一部を抜粋してお届けする。
ヨガとは暴れまわる心を一点に結びつけて集中させること
そもそも「ヨガ」とはなんだろうか?
ヨガのおおもとになったのは、『ヨーガ・スートラ』という2000年以上も前に書かれた経典だ。
たった196節のシンプルな文章で書かれた読み物なのだが、内容は禅問答のようにとても難しい。そのため、これまでにさまざまな解釈がなされてきた。
ヨガはサンスクリット語の「ユジュ」が語源だ。
ユジュとは「軛をつける」という意味。軛とは、荷台を引く牛や馬の首の後ろにかける横木のことだ。
ヨガには「軛を装着する」、つまり「(牛や馬と荷台を)結びつける」という意味がある。そこから「心を一点に集中させる」という意味になったのだ。
牛や馬のようにつねに動き回り、ときに暴れ回り、なかなか捕らえることができない私たちの心。その暴れまわる心を一点に結びつけて集中させる。進むべき方向に向かわせる。それが「ヨガ=結びつける」の意味なのである。
もう少しイメージしやすいように説明しよう。
私たちの体が「荷台」だとしたら、自我が「乗り手」である。そこに意識という「手綱」がかけられ、心という「馬」がつなげられている。
優れた乗り手であれば、思い通りに馬は進むが、乗り手の腕次第では暴れ馬のように暴走してしまう。よって、手綱をかけ、上手に引く技術が求められるのだ。
現代人にこそ必要な、体と心をうまく「つなぐ」作業
現代人は、本来ひとつである「体」と「心」がバラバラだ。情報があふれ、思考だけがどんどん先に進んでいってしまい、体がついてこない。
例えるなら、馬が暴れまわってしまい、荷台が思うように動かない状態だ。逆に荷台(体)がうまく動かなければ、それを引く馬がいくら頑張っても前に進まないだろう。
そこで、体と心をうまく「つなぐ」作業、ヨガが現代人に必須なのである。
姿勢を正し、呼吸をコントロールし、意識を集中させる。それによって、心は整い、安定する。そこではじめて、思いどおりに生きることができる。
「生きにくさ」から解放されたいのであれば、まず自分の心のあり方や日々の生き方が深く関与していることに気づくことである。
そして、心をしっかりと整え、「良馬」「名馬」に育てていくことだ。