朝を変えることで、1日が変わる。1日が変われば、ひいては一生が変わり、人生が変わる――。朝を変えるきっかけとなるのが「ヨガの習慣」だ。

ダイヤモンド社より発売され、早くも反響を呼んでいる『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』よりその一部を抜粋してお届けする。

朝を変えることで「いいスパイラル」が生まれる

 早起きをした日は1日中調子がいい。そんな経験はないだろうか?

朝の過ごし方を変えると1日が変わる。

 1日の始まりを爽快に始めることで、いいスパイラルが生まれるのだ。

 いいことがひとつあると、さらにいいことが起きる。逆に悪いことがあると、さらに悪いことが起きる。この世界はなぜか、そういうスパイラルが生まれやすい。

 朝、ヨガをして心身をリセットすることで、悪いスパイラルに陥っている人はそこから抜け出すことができるだろう。毎日まっさらな気持ちでスタートできるのだ。

「朝×ヨガ」は1日を変える最高の習慣

 私が運営しているヨガスタジオも朝のクラスは6時に始まる。

 参加しているのは外資系の金融機関に勤めるビジネスマンや、個人事業家や投資家。金融市場は朝8時に開くので、朝6時にヨガをしてから出社する。

 スタジオの庭にはウッドデッキがある。そこで朝日を浴び、鳥の鳴き声や虫のやさしい音を聞きながらヨガをするのだ。

 1時間をかけて体と心をほぐしたあと、彼らはスーツに着替えて、ビジネスの戦場に向かう。

 朝からヨガをして出社すればスッキリ目が覚めて、気持ちよく仕事に取り組めるだろう。朝から運動をすることは、仕事で成果を出すためにも有効だ。

ヨガは脳も鍛える

 アメリカのイリノイ州のネーパービルという地域の学校で、ある試みを実施した。

 この地域の生徒たちに朝早く登校してもらい、最大心拍数の80?90%ほどの心拍数を保つペースで校庭を走ってから、授業を受けてもらったのだ。

 すると、学区全体の成績が上がった。学力調査にこの地域の中学2年生が参加したところ、理科のテストで世界1位、数学のテストでも世界6位を記録したのだ。

 このケースは『脳を鍛えるには運動しかない!』(ジョンJ・レイティ著 NHK出版)という精神科医の書いた本で紹介されている。

 著者によると、運動をすると脳由来神経栄養因子(BDNF)というたんぱく質の一種がさかんに分泌され、脳の神経細胞(ニューロン)をつくったり、神経をダメージから保護したり、脳に栄養を送る血管の形成を促すという。

 また、脳を鍛えることで、うつ病や認知症のリスクも低減できるらしいのだ。

 著者は、「ヨガのポーズや空手の形のように、自らの動きを意識させる運動は脳にいい刺激になる。複雑な動きをし、普段使わない筋肉を意識的に使うことも有効だ」と語っている。