さらにH田さんは、40代からの勉強は「やることの一点突破」がより重要と振り返っています。時間がなく、気力も体力も減退しつつある40代にとって、すべてを学ぼうという意識はたいがい頓挫しがちだと強調します。
本当にすべて必要なのかを疑って、今の自分にとって最も重要なことに絞ってピンポイントで学ぶという濃淡のつけ方が、継続するためには大切だそうです。
例えば、英語においても、「ヒアリング」「スピーキング」「ライティング」「リーディング」を同時にやっていくのが理想かもしれませんが、中高年の勉強法としては、例えば「ヒアリング」や「ライティング」に特化することです。読書なら、仕事全般に活かせるビジネス書というくくりではなく、「リーダーシップ」や「マーケティング」などと焦点を合わせて、あまり浮気をせずに一気に類書を読みあさることがポイントです(もちろん趣味の読書は別で、あくまで勉強のための読書という意味です)。
すべてをやろうとするからモチベーションが続かず、また多くの時間が必要になるのであって、最初に何をマスターすればいいかを決めて目的を明確にすれば、計画も立てやすくなったり、少ない時間を有効に活用できるようにもなるのです。
勉強する時間と場所を固定し習慣化すること、次に一点突破であるテーマに時間を集中させるという方法で、H田さんは二回目の試験を見事突破することができました。
第21回に続く(7/11公開予定です)