間尺の取り方が
違っているだけ

―しかしながら、新30年ビジョンにある、株式の時価総額を30年後の2040年には「200兆円規模の企業にする」という長期目標は、現在の時価総額が約2兆7000億円であることを考えれば、単純計算で約100倍の企業になるということです。あまりにも乖離があり過ぎるのでは?

 世間から「孫は、また“大ボラ”を吹いている」と見えるかもしれませんが、僕は創業したときと同じように、真剣に考えたうえで大ボラを吹いているつもりなのです。今回も、30年前と同じで、真っ当な大ボラです。

 時価総額で200兆円と言えば、現在の米マイクロソフトの約10倍の規模です。生半可な気持ちでは、達成できるはずがありません。それを実現するための試算では、年間平均で17%成長する必要があります。それも、30年間続けてなのですから、至難の業です。

―同じく、「30年後に世界のトップ10企業になる」という長期目標についても、新30年ビジョンではその方策が言及されていません。

 そうですね。30年以上前に、19歳で「人生50ヵ年計画」を立てたときも、要約すれば、たった1ページのものでした。

 それらは、「(1)20代で名乗りを上げる」「(2)30代で軍資金を最低1000億円は貯める」「(3)40代でひと勝負をかける」「(4)50代で事業を完成させる(売り上げ規模1兆円)」「(5)60代で次の世代に事業を継承する」です。

 そのときも、今回の新30年ビジョンにおいても、具体的な戦術まで踏み込んでいません。ですが、明確な方向性を示したと思いますし、到達のイメージは描けていると考えています。戦術、すなわち具体的な方法論は、時代とともに変わりますし、道具立ても変わります。事業上のライバルにしても、現在のライバルではないと考えたほうが自然です。

 方法論は、できるだけシンプルにしておきたい。方向性が決まれば、“構え”が決まる。その構えは、新しい時代に合った「ウェブ型の組織」(グループのメンバーが自律・分散・協調で動く組織形態)です。個々の小さな組織は、適材適所で自らの役割を果たしながら、連携していきます。30年後には、そのようなグループ企業を5000社に増やしたい。