思わず、続きがみたくなる。「動」と「静」のギャップが大きければ大きいほど、好奇心をくすぐることができるのだ。
ここからヒントを得て、模倣し、“自分ゴト”に取り込むのが、あなたに必要なことだ。
すでに検証済の例文なので、法則を上手に取り入れられれば、ゼロから考えるよりずっと近道になる。
かつて、アメリカでこのコピーを例文として巧みにマネたボクシング記事のヘッドラインを見たことがある(実際のクリエイティブは、本書参照)。
「最新鋭戦闘機と旧式プロペラ戦闘機が戦う“喜劇(コメディ)”が始まった。しかし、その喜劇が終わったとき、笑っている者は誰もいなかった」
1991年4月19日に行われた「世代を超えた戦い(The Battle of Ages)」と呼ばれた伝説の試合だ。
当時脂の乗り切った28歳の統一王座ホリフィールド(最新鋭戦闘機)に挑んだ42歳のフォアマン(旧式プロペラ戦闘機)は、年齢が離れ、実力差がありすぎる滑稽な試合と見なされていた。
しかし、最終回まで拮抗した好勝負は、予想を裏切り誰もが感嘆した。
その試合内容を端的にドラマチックに伝えている(結果は、老齢フォアマン選手の善戦があったが、12回戦判定でホリフィールドが辛勝)。
この記者は、おそらく全米で流行したケープルズ・コピーの「韻」を踏んでいるのだろう。どのような「韻」かというと、ケープルズがピアノのコピーで使った「静」と「動」の「韻」だ。
優雅なイメージの「ピアノ」を荒々しい「ボクシング」にマネるなんて、なかなか、結びつかない。しかし、それらの字面にとらわれてあきらめてはいけない。
重要でマネるべきは、「『動』と『静』を描き、読み手の好奇心を誘う」という法則だ!この記者のように、マネてみてほしい。
単語は、入れ替えるだけでいいのだ。