民進党の生活保護政策には
どこまで期待が持てそうか?

 では、民進党はどうだろうか?「民進党政策集2016」には

「真に支援が必要な人に適切に生活保護認定を行う一方で、不正受給を防止し、医療扶助に関する電子レセプト点検の強化や後発医薬品使用の促進など適正化を進めます。

 現在行われていない受給要件の再確認を一定期間ごとに行い、また不正受給への罰則を強化します。」

 とある。「真に」「適正化」「不正受給」といった用語は、生活保護を必要としているのに利用できない人々を生み出し続け、さらに、生活保護を利用している人々を痛めつけてきた。その歴史に対して何らかの自覚があれば、こういう記述にはならないだろう。正直、がっくりだ。自民党との違いが、よく分からない。

 しかしながら、続けて、

「貧困が命に関わる危険な状態を招く事例も少なくありません。生活保護受給資格の要件をわかり易く提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず、給付を受けない事態が放置されないように対応します。」

 とある。このくだりが意味することは、生活保護を利用できるはずなのに利用できない「漏給」をなくし、生活保護を必要とする人のうち利用している人の比率である「捕捉率」を100%に近くする(さまざまな試算があり、現在10~50%程度とされている)ことだ。その時、生活保護基準が現在のままならば、生活保護予算は、少なくとも現在の2倍、約10兆円弱が必要ということになる。ぜひ実行してほしい政策ではある。しかし、予算を確保する目処はあるのだろうか?

 民進党は続けて、「就労インセンティブを損なわないように」、生活保護利用者たちに「働いたら損」となりかねない状況をもたらす「収入認定」の仕組みや、生活保護の8つのメニュー(生活費・家賃補助・医療費……火葬費用)の単独運用を検討するという。大いに実現してほしい政策ではあるし、それほど大きなコストを必要とするわけでもない。しかし最大の問題は、生活保護の位置づけと、「健康で文化的な生活」の内容だ。どう考えているのか、公約(国民との約束)からも政策集からも見えてこない。

 民進党には、まず、現在の状況を「より『悪くなく』する」こと、特に貧困の拡大に対して、実際に生活困窮状況にある人々・生活保護で暮らす人々・就労などによる経済的自立ができてはいるものの苦しい人々を具体的に「よりラク」「よりマシ」にすることを期待したい。自民党が、実質的に逆行させる動きをした場合、歯止めとなってほしい。でも、どこまで期待できるのだろうか? 公約と政策集を読む限り、私の口からは「うううううむ……」という唸り声しか出てこない。