沖山賢吾(おきやま・けんご)
1977年東京都八丈島生まれ。都立戸山高校・早稲田大学社会科学部卒業後、東大難関大受験専門永田塾で英語講師として勤務。校舎長となってからは、授業だけでなく、営業や総務といった教室運営全般を経験。リソー教育グループでは、塾のシステムや利用法を説明する業務を担当。親子の相談窓口となる。現在は沖山教育研究所を構え、10年後20年後を見据えた研究・提案を重ねている。著書に『できる子はどっち?』(KADOKAWA/中経出版)

沖山 山内さんは、子どもを大学に行かせるために、一番コスパがいいのは、どういったルートだと思いますか?

山内 まずは国立大学を目指すことですね。地方でもいいと思います。理系でも学費が安いですから。でもそれも難しい場合は、私がおすすめしている、比較的ゆるい基準で入学できるアメリカの短大に進学して、そこでがんばってトランスファー(編入)という方法を使って、世界ランキング100位以内の本物のトップ大学に入ることですね。

沖山 進学校でなくても、高校さえ卒業していれば留学はできるんですよね。高校中退でも「高等学校卒業程度認定試験」(以前の「大検」)を取っていれば問題ないという。

山内 詳細は私の本を読んでいただきたいのですが、公立短大であれば、英語力が足りなくても、向こうで指定の語学学校の授業を受けさえすれば入学できるんです。いわゆる大学入学には必須のTOEFLは不要です。実際、私も偏差値39だったのに行けましたから(笑)

沖山 それでもトップ大学に入れる?

山内 短大でそれなりの成績を維持していれば入れます。でも、死ぬほど勉強するとかではないです。また良い成績を取るテクニックもありますし…。

ただ、アメリカの大学ですから、公立とはいえ、短大~大学のアメリカ滞在中の4年〜5年で、生活費も含めると、それなりの費用がかかります。

でもみなさん同じような金額を日本の塾や中・高を含めた私立の学校に払っているわけです。どうせなら、そのお金をつかって、世界が認めるアメリカの名門大学に入った方がいい。東大、京大のランキングよりずっと上の大学に入れるのですから。(注1)

僕は子どもはいませんが、もしいたら、高校まで公立でできるだけお金を使わずに、留学させる道を選びますね。結局、中学、高校でどこに行ったかよりも、最終的にどの大学に行ったか、という最終学歴がモノをいうと思うので。

沖山 確かに私立の中高一貫校に進学したら、6年間で600〜800万円は軽く飛んでいきますからね。そのお金を留学費用に使った方がいいという考えには私も賛成です。教育費ほど、考えなしに支出されているものはないですからね(笑)。

注1)タイム誌「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」2015年9月末発表の世界ランキングでは、東大43位、京大88位。連載第1回で紹介

つづく