ユーロが強く、ついに1.35ドルまで戻してきました。
ただ、さすがに「上がり過ぎ」「戻り過ぎ」であって、この辺りでユーロ高の行き過ぎ警戒域に入ってきたのではないでしょうか?(「ユーロ高の『終わり』が始まった!欧州の財政問題はまだ払拭されていない」を参照)。
ユーロ高が「上がり過ぎ」の警戒域に入ってきた
まず、短期的な相場の行き過ぎを、90日移動平均線からのカイ離率で見てみると、ユーロ/米ドルの90日線からのカイ離率がプラス5%を超えてきました。このようなケースは少なく、プラス10%を超えたことは基本的にはありませんでした。
その意味では、カイ離率がプラス5%以上に拡大すると「上がり過ぎ」であって、さらにプラス10%以上に拡大する可能性はきわめて低いということになるでしょう。
ユーロ/米ドルの90日移動平均線は、9月27日(月)現在で1.27ドル近辺にあります。したがって、カイ離率プラス5%だと1.33ドル、プラス10%だと1.39ドルといった計算になります。
ユーロ/米ドル 週足
これまで見てきた経験則を当てはめると、1.35ドルを超えるユーロ高は行き過ぎ警戒域であり、1.4ドルを超えるユーロ高になる可能性は低いということになるでしょう。
ユーロは「欧州信用不安離れ」を果たしたのか?
さて、ユーロについて、今度は違った角度から考えてみましょう。
今年前半のユーロは、為替相場全体の主役のような存在でした。言うまでもなく、ギリシャに端を発した欧州財政懸念の中でユーロ危機が広がったということです。
こういったことから、最近にかけても、ユーロ相場は欧州のリスクプレミアムとの相関性がとても高い状況が続いていました。
ユーロ/米ドル 日足
欧州のリスクプレミアムを示す代表的な指標の1つが「欧州CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数」です。これは6月初めに信用不安のピーク、8月初めに信用改善のピーク、そして8月下旬に信用不安再悪化のピークをつけました。
これが、対米ドルでのユーロの安値・高値とほぼ一致していたのです。