授業料+オプションで
中学受験は300万円はかかる!
1977年東京都八丈島生まれ。都立戸山高校・早稲田大学社会科学部卒業後、東大難関大受験専門永田塾で英語講師として勤務。校舎長となってからは、授業だけでなく、営業や総務といった教室運営全般を経験。リソー教育グループでは、塾のシステムや利用法を説明する業務を担当。親子の相談窓口となる。現在は沖山教育研究所を構え、10年後20年後を見据えた研究・提案を重ねている。著書に『できる子はどっち?』(KADOKAWA/中経出版)
沖山 先ほど、実感としては中学から私立だと、トータルで2000~2500万円、それ以上かけていると思いますといいましたが、内訳は、中学受験の塾代と私立6年間と大学受験準備や大学卒業までの費用です。さらに大学で一人暮らしとかするならもっとかかります。
山内 中学から大学までのトータルを考えるとけっこうな額になりますよね。
沖山 先ほどの文科省のデータでは小学生の塾代は年間約22万円ですが、あれは受験しない子も混ざっている平均値ですよね。実は中学受験をするとなったら少なく見積もっても300万円くらいはかかるんです。
私が勤めていた塾ではたった1年で300万かける親もいました。小6だけでですよ。夏合宿とか、冬期講習とか、直前合宿とか。科目ごとに月額の授業料とは別に加算されますし、さらに最近では、塾通いの低学年化が進んでいて、小1から通う子もいますからね。
それで無事、私立の中高一貫校に進学して、6年間の授業料だけで600~800万円。さらに学校の授業の一環で「3ヵ月の海外研修」なんて、今はやりの短期留学のオプションが付くと、また跳ね上がる(笑)
山内 ああ、それ、留学コンサルタントとして短期の提携留学には、「行くな」とはっきり言っています。立場上、留学の応援をしたいんですけど、ああいう留学ってお金だけかかって得るものが非常に少ないからです。
沖山 夏休みに2週間行くだけで40~50万円とか、1年行くと300~500万円取る学校もありますよね。
山内 それだけかけるなら、普通に海外の四年制大学に進学すればいい。確かにアメリカの私立大学だと高いですが、州立であれば無理な金額ではありません。短大は年間1万ドル程度、大学は、その大学によって費用はまちまちですが、奨学金の取得だったり、為替も1ドル100円前後であればサラリーマンの家庭でも可能な金額です。私の知り合いで、もらえる奨学金を自分で探し出して、日本でのアルバイト代を足して、費用を全部自分で賄ったという子もいました。
また学歴にしても、トランスファー(編入)ルートを使えば、東大・京大よりはるかにレベルの高いトップスクールに入ることも可能ですから、コスパで考えたらこっちのルートの方がお得です。
沖山 僕もそう思います。前回も言いましたが、中学受験時からそんなにお金をかけてるのに、費用対効果として、最終学歴がGMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)でいいのか、と言っているわけです。