企業に新卒入社した社員を「プロパー組」と呼びます。プロパーとは、「生え抜き」という意味で、入社から手間をかけて教育を施し、それだけ純粋培養されるということでしょう。一方の中途社員は、即戦力として扱われることが多く、教育もソコソコに現場での結果を期待されがちです。

 そんな両者は、同じ世代であっても待遇が違うことが多く、不満を感じて激突する職場も少なくありません。特に若い世代では、「第二新卒」という枠で採用される中途社員が増えつつあり、彼らは新卒社員とのギャップを感じ、ついついキツイ一言が出てしまうことがあるといいます。では、新卒社員と第二新卒のギャップとはどのようなものなのでしょうか。そして、そのギャップはどう埋めていけばよいのでしょうか。

優秀な人材確保には多額なコストが…
予算のかからない新たな採用手法も登場

 会社の成長に必要な3要素として、「人、モノ、金」が挙げられます。その1つである「人=人材」に関する「如何に優秀な人材を採用するか?」については、いつの時代も「コスト=費用」との兼ね合いが難しい重大な問題です。

 私がリクルートに在籍していた頃(10年位前)は、「優秀なエンジニア1人採用するのに300万は最低かかる」とか、「一流大学から新卒採用をしたいなら1人当たり150万」など、採用コストがかさむのが当たり前とされてきました。

 現在は、そこまで莫大なコストは必要ないかもしれませんが、それでも人事部のスタッフだけで世間的に“優秀”と定義される、

◆一流大学卒の学生
◆大企業での就業経験があるビジネスパーソン

 を採用するのは難しいもの。なので、現在も入社意向のある候補者を集めるためには、相変わらずコストをかけ、人材採用を支援している会社の協力を得る必要があります。時代が変わっても人材採用に費用がかかるのは同じようです。

 さて、人材採用のオーソドックスな方法は、リクナビやエンジャパンなどの求人サイトや求人専門のフリーペーパーなどに掲載料を払って行う募集告知。最近は景況感の影響で、掲載料金も下がってきたようです。それでも、

「優秀な社員を採用したいならスカウトメール使うべきです」

 などといった熱心な営業からの提案もあり、費用が想定以上にかさむ場合も少なくありません。本当は断りたくても「優秀な社員を採用したいですよね?」と言われれば、結果的に予算も膨らんでしまうのでしょう。

 実際、大企業は不況になると、買い手市場を享受できます。ところが中堅・中小企業は景気に関係なく、慢性的な人手不足状態が続いています。求人サイトで募集をかけても優秀な人材が採用できず、その次の手段として人材紹介会社に依頼すれば、採用時に年収の30%程度の手数料を取られることもあり、優秀な人材を採用するには、それなりの費用を覚悟しなければなりません。