そもそもTOEFL iBTを教えられる
英語の先生がいない

アジアで最下位!<br />なぜ日本は「英語が話せない」国なのか?沖山賢吾(おきやま・けんご)
1977年東京都八丈島生まれ。都立戸山高校・早稲田大学社会科学部卒業後、東大難関大受験専門永田塾で英語講師として勤務。校舎長となってからは、授業だけでなく、営業や総務といった教室運営全般を経験。リソー教育グループでは、塾のシステムや利用法を説明する業務を担当。親子の相談窓口となる。現在は沖山教育研究所を構え、10年後20年後を見据えた研究・提案を重ねている。著書に『できる子はどっち?』(KADOKAWA/中経出版)

沖山 まあ、現場を見ている私からすると、仕方ないかなという気もします。だって、ちゃんとTOEFLを教えられる先生ってほとんどいないんですよ。学校に1人くらいいたらラッキーという感じ。

山内 そうですよね。「英語に特化」と謳う私立高校でもTOEFLに特化した教育が提供できる先生はあまりいませんからね。

沖山 いない、いない!中高一貫校にも少ないよね。だいたいTOEFL iBTを受けて、100点超える英語の先生の方が少ないんじゃない?だから大阪府なんかは、TOEFLを教えられる先生を公募しているんですよ。教員免許なしでいいからって。TOEFLを教えられれば、教師になれる時代なんですよ。

結局のところ、今の教育現場で英語力が付かないのであれば、やはり留学というのは現実的な選択肢ですよね。教育改革を待っている間に、大人になってしまいますから。

山内 確かに、本気でトップ大学を狙おうと思ったら英語は身に付きますね。現在の英語のレベルが低くてもやる気さえあれば何とかなります。

というのも、日本の高校生の能力って、すごく高いんです。特に数学ですね。アメリカの短大で必要とされるレベルは、日本の中学校の数学と高校1年生の数列くらい。

ですから、留学した学生たちは、数学は楽にこなせます。英語が身に付いていない時期は数学を選択するなど、そういった強みをうまく生かしていけば、留学先でもいい成績をキープすることは可能です。

そして、短大でいい成績を取れば、東大・京大よりも世界ランクが上のトップ大学に編入できますから、どんどん本気の留学に挑戦してもらいたいものです。