世界規模のネットワークが手に入る
山内 留学のメリットは、英語力、年収、最終学歴の高さだけではありません。私は人脈が大きいと思っています。
沖山 前々回で、三田会(慶應義塾大学の同窓会の名称)の話を出しましたが、それのグローバル版ですね。
山内 そうです。アメリカのトップ大学には、世界各国から優秀な学生が集まり、彼らの7〜8割は国に戻って働くことになります。ですから世界中に仲間がいる、ということになるわけです。
沖山 トップ大学は、ネットワークがある意味一番の売りですね。
山内 今はSNSですぐにつながれる時代ですから、「そっちはどう?」「一緒にやらない?」などという形で、数百万、数千万円のビジネスが同窓生同士で生まれていくのです。こういったネットワークは、トップ大学への留学でしか手に入れられないものです。やはり、一緒に苦労して勉強した時間があるからこそ、ですよね。
沖山 ちょっとした疑問も、世界レベルで相談できるということですね。それはいい。
短大で編入を狙うくらいの成績なら
「給付型」の奨学金も取得できる!
沖山 これだけ留学がいいとわかっていても、親御さんが心配されるのはやはり費用のことです。私が何度も「日本でも同じくらいかかるから」と言っても信じてもらえない(笑)。前回も、データと合わせてかなり言ってますけれど。
山内 もちろん安くはないですが、アメリカの短大や大学は奨学金が充実しています。ほぼすべて返済不要のものです。私自身も留学中に、3回ほど奨学金をいただきました。
沖山 3回ですか!それはまた多いですね。
山内 奨学金にもいろいろあって、学校が出すもの、学部が出すものなど、細かく分かれているのです。ですから、それぞれもらうこともできるんですよ。また、私の本に出てもらった元留学生は中堅の四年制大学からトップ大学に編入したのですが、中堅の四大では奨学生となったので、そこでの授業料は、ほぼ無料だったそうです。
沖山 なるほど。それはいいですね。本にも詳しくかかれているんですよね。
山内 はい。奨学金の取り方を載せています。できるだけコストは下げるに越したことはありませんから。
沖山 私は各家庭に最適な学校選びのお手伝いをしているのですが、山内さんのお話を聞いていると、「公立に行って、その分のお金を貯めて、アメリカの短大へ留学して、四年制大学にトランスファー」というのがやっぱり正しいですよね。細かいコンサルの必要がなくなってしまうかな(笑)
まぁ、私はそういう考え方を広めること自体が仕事みたいなものですけど。どうやったらそういう子にしてあげられるのか、っていう親の心構えを指南する、とか。
山内 日本の学校に詳しい沖山さんには、海外の情報をどんどん、そういった学校に持ち込んでいただきたいと思います。そうすれば、日本の学校も変わっていくかもしれませんし、親の考えも変わっていくのではないかな、と思います。
(了)