実はレッドホースの事業主体は、エキスポシティを開発した三井不動産でも、観覧車の製造メーカーでもない。観覧車の建設プロジェクトのために設立されたSPC(特別目的会社)「フェリスウィールインベストメント」が開発し、運営も行う。狙いはエンタテイメントビジネスで確実な収益をあげること。高い集客力を維持すれば、安定した売上を見込める、観覧車ならではのビジネスがそこには存在する。

ファンドで実現したハウステンボスの観覧車

「太陽の塔に次ぐ、大阪のシンボルをめざし、国内外から集客したい」

 レッドホースの開業にあたり、フェリスウィールインベストメントの宮本裕司社長は、意欲を見せる。

 宮本氏は証券会社出身で2010年に同社を設立。金融とオペレーショナルアセットの運営ノウハウを融合させたエンターテインメント系の投資ビジネスを手がける。オペレーショナルアセットとは、オペレーターの運営能力が収益性を左右する事業用不動産のこと。そのため、自社で直接レジャー施設の運営管理まで行なっている。

 過去の実績でいえば、HISが運営する長崎の「ハウステンボス」に2011年11月開業した「白い観覧車」もそのひとつ。高さ48メートル、ゴンドラ数32基、所要時間約11分と、やや小ぶりだが、ハウステンボスの街並みやイルミネーションが一望できるスポットとして人気を集めている。

 この「白い観覧車」は日本で初めてファンドスキームで開発された観覧車で、同社が投資家からの出資と金融機関からのローン等によって開発資金を調達した物件だ。営業開始後は観覧車のオペレーションに携わり、現在は、同社が保有、運営管理を行っている。

 通常、観覧車は公園や遊園地の運営会社が製造メーカーから購入して運営することが多い。全国に約150基ある観覧車の8割がそのパターンだという。しかし、ここ数年、グローバルな集客を狙い、世界の主要都市で観覧車の高さ競争が勃発。今年3月にも、タイの不動産会社が、ラスベガスのハイローラーやシンガポールフライヤーを凌駕する規模の観覧車をプーケットに建設すると発表している。

 観覧車の巨大化は同時に投資額の上昇にもつながる。「大観覧車はいまや1社だけでは実現できない」(宮本社長)のが現状だ。そのため、観覧車の運営会社は複数の投資家から出資を募り、資金を調達。観覧車を建設、開業した後は、集客力アップに全力を注ぎ、早期の回収をめざす。エキスポシティのレッドホースは、このファンドスキームを活用した日本で2番目の観覧車ということになる。