座談会第1回<br />高校中退、英語嫌いでもUCLAに!<br />わが子を勉強好きに変える編入留学の魅力松山恵美(まつやま・えみ)
株式会社OBG CEO
新日本物流株式会社 副社長(Vice-president)
高校卒業後に留学、ロサンゼルスの短大を経てニューヨークの大学を卒業、その後コロンピア大学院でソーシャルビジネスで修士号を取得。帰国後、父の経営する運輸会社に入社。経営陣として運営に携わりながら社内情報インフラやCIの再構築、また対外的な広報・PR活動などを通じ古い体質の企業イメージの刷新。不動産業、システム開発から保守メンテナンスや廃棄処分までの輸送にまつわるサービスをワンストップで提供できる総合物流サービスを展開している。現在副社長を務める傍ら、企業の語学教育や輸出代行を主とする会社を起業、CEOとして活躍中。

英語嫌いでも「やりたいこと」が
見つかれば論文を読みこなすまでに!

青砥 それでUCLAの神経科学を目指そうとしたのですが、英語も全くしゃべれないですし、英語嫌いなぼくが、アメリカ最高峰の大学で、医学系の神経科学を専攻するだなんて、ほとんどの人が絶対に無理と言ってましたね。

松山 英語嫌いなのに、よく留学を目指しましたね…。

青砥 はい(笑)。でも、日本ではそのやりたかった学問を学ぶところがなかったので、もう覚悟を決めました。

僕の高校時代なんて、単なる野球坊主だったので、学校の成績は、もう本当に残念過ぎる状態で、それをUCLAに出したら、100%受からない。でも、過去は変えられないけれど、やる気を出したその瞬間から、未来は変えられるんです。編入の場合、短大の成績が良ければいい、という点は本当に助かりました。

山内 本当にそうですよね。高校の成績が問われないのが、短大から編入するルートのいちばんの魅力だと思います。私自身も体育に特化した高校に行って、成績も良くなかったので、気持ちはわかります。本当に、東大や京大よりも大学ランキングがかなり上のUCLAに行けるのか、最初は半信半疑でしたから(笑)。

青砥 短大では、山内さんの本に書いてある通り、がんばって勉強して、ボランティアなども率先してやったりしました。そして、念願のUCLAのそれも神経科学部に編入できたときは、本当に嬉しかったです。短大に入ってからは、英語嫌いの僕が専門用語がいっぱいの英語論文も読みこなせるようになりました。

日本の大学はつまらない!
留学したら勉強がおもしろくなった

山内 ニューヨーク市立大学に編入された梅田琢也さんは、なぜ留学されたんですか? 帰国子女ですよね?英語が得意だったとか?

梅田 いや、親の仕事の関係で、海外で育ちましたけど一貫して日本人学校だったので、英語はほとんど使いませんでした。みんなでタクシーに乗るときくらい?(笑)学校でも家でも日本語です。高校卒業時にいったん帰国して、帰国子女枠で大学に行こうと思ったんですが、無試験で行けるところはレベルが低いところしかなくて。

山内 それで、日本の大学には?

梅田 結局、一浪して大学に入ったのですが、とにかく日本の大学がつまらなかった(笑)。授業も受け身だし、体系的に学べるシステムじゃないというか。それで、ほとんど学校に行かずに旅ばかりしていたら「それだったら、アメリカの大学へ行っちゃえば?」と、旅先で出会った人に背中押されたのが大きいですね。

まず、英語ができるようにならないと、と思って語学学校に行こうと2ヵ月間だけビザを取得して、その後、短大に行きました。ニューヨーク市立大学系列の短大を選んだのは単純に学費が安かったからです。金融を学びたい、それならニューヨークだろう、と思って短大にはトランスファー(編入)のルートがあって、ニューヨーク大学(NYU)にも行けたんです。

山内 でも公立のニューヨーク市立大学バルーク校にしたのは?

梅田 いや、NYUは私立大学だったので学費が高すぎて(笑)。だって、市立(公立)だと、NYUの半分ですから。

山内 そうなんですよね。私立だと留学生(International)枠は特に学費が高いですからね。

梅田 それで、よくよく調べてみるとニューヨーク市立大学のfinance&investment(金融&投資)専攻は、ニューヨーク大学の次ぐらいのランクだったんです。しかも教授も、ニューヨーク大学、コロンビア大学、イエール大学でも教えている。

松山 ニューヨーク大学とかコロンビア大学は地理的にすぐ近くですからね。

梅田 学費が安くて、教授も、教科書も一緒なら、違うのは大学名だけですよね。であれば、市立大学への編入がベストだ思いました。向こうの授業は本当に面白くて、興味のあるものをいろいろと取りました。それで、短大での成績(GPA)が高得点をキープできたので、大学にはすんなり入れましたが、系列というのも有利に働いたのかもしれませんね。

山内 まさに!本書でも触れましたが、系列の短大の学生は編入しやすいんですよ。私自身、カリフォルニア州立の短大から、同じカリフォルニア州立のUCLAに入ったので。そういう意味で、系列短大を選んだというのは正解でしたね。