情報処理が楽になるといっても、どれぐらい短くなるのか。前回の記事で紹介した、牛丼の説明の例をもう一度見てほしい。

【ベタ書き】
チェーンの牛丼はとても安くて、多くの人にとって買い求めやすいものだ。このため、お金のない学生であっても気軽にお店に入ることができる。そして、チェーンの牛丼はとても速くつくられて、速く提供される。だから、ビジネスパーソンにとっては、時間があまりなくても、次に予定があっても気兼ねなく食事ができる。また、小さい子ども連れのファミリーにとってもありがたいだろう。すぐに食べたくて、待ちきれない子どももいるからだ。そして、チェーンの牛丼はとても美味い。何度食べても飽きがこない。だから、朝に食べたとしても、夜にも食べることができる。
【箇条書き】
チェーンの牛丼のすばらしさは3つ。
1. 安い
2. 速い
3. 美味い

 ベタ書きの説明は262文字。箇条書きの説明は27文字だ。

 ベタ書きを箇条書きにすれば、文章量はほぼ10分の1。それだけ速く、魅力的に伝えることができる。

 繰り返す。箇条書きの機能は「読み手や聞き手にとっての情報処理の負荷を減らす」ことだ。

忙しい人や関心がない人にでも、伝わりやすい。そして伝わりやすいから、相手は動いてくれる。

 箇条書きは単なる文章術ではない。人を動かすための情報処理の技術なのだ。