中学受験はいわゆるピアノや水泳などの習い事の延長線上にあるのではなく、全く別ものと考えたほうがいい。子どもの将来を左右することでもあり、家族全員で取り組まねば成功はおぼつかない。中学受験は子ども一人が頑張る個人戦ではなく、家族全体で合格を目指す“団体戦”なのだ。ある意味、家族力が問われ、家族それぞれが役割を分担し、負担することが求められるといっていいだろう。

 負担といってもいろいろあるが、その中で最も大きいのが経済的負担だ。中学受験を目指し、一般的な小学校4年生から塾に通うとなると、受験までおよそ240万円かかると言われている。なぜ、塾に通うのが4年生からなのかというと、大手塾で4年生から中学受験コースが始まるからだ。

 大手塾では先取り教育を行っている。小学校での課程を5年生の終わりまでか、遅くとも6年生の1学期までに終える。そのため、4年生から学び始めたほうが、スムーズに先取り学習ができるからだ。小学校の課程が終わったら、これまでの復習と入試対策や志望校別対策の授業が行われるのが一般的だ。

 学年が上がるにつれ、塾の費用もかさむことを覚悟しなくてはならない。4年生で月4万円程度かかる。240万円は4年生から塾に通う時の負担だが、塾に通い始めるのを5年生、6年生からにしても難関中に合格した人はたくさんいるから、家計の状況と子どもの適性で考えればいいだろう。

塾、講習、模試、家庭教師…
出費に備えてあらかじめ計画を

 毎月の出費の他に夏期講習、冬期講習、そして模試の代金が必要になる。6年生の秋ともなれば、模試を毎月受けるのが当たり前になる。大手塾だと塾内テストがあるが、やはり多くの人が受ける模試を受けておかないと、全体の中での子どもの実力が分からない。さらに、塾ではない会場での模試を受けることで、入試に近い雰囲気を体験することができ、中学受験本番の時にプラスになる。