言い換えれば、医療費が26万7000円までは3割を負担するけれど、それを超えた医療費については1%を支払えばよいということだ。

 さらに、高額療養費には、直近1年間に高額療養費に該当する月が3回以上あると4回目からは負担がさらに引き下げられる「多数回該当」という仕組みもある。一般的な所得の人の多数回該当の限度額は月4万4400円。

 この金額は、毎月、高額療養費を負担し続けても、1年間の合計額がボーナスを含めた平均月収の2ヵ月分程度になるように設計されている(当初3ヵ月間は通常の高額療養費を負担し、その後9ヵ月間多数回該当が適用された場合)。

 2015年1月から、70歳未満の人の高額療養費は、図のように5区分に変更されたが、(ア)(イ)の高所得層の限度額の計算方法も、基本的には(ウ)の一般の人の考え方と同じだ。

 それぞれの所得区分の最低ラインの年収の総報酬月額(ボーナスを含めた年収を12ヵ月で割ったもの)の25%が基準額で、1年間の合計負担額は平均月収の2ヵ月分程度になる。

 ちなみに、(エ)の年収370万円以下の人の基準額は、(ウ)の一般的な所得の人の8万100円と(オ)住民税非課税世帯の3万5400円の中間で設定したものだ。

限度額適用認定証で
医療費の自己負担を抑える

 高額療養費の【8万100円+(かかった医療費-26万7000円)×1%】という計算式には、医療費が26万7000円までは3割を負担し、それを超えたら1%を支払うという意味がある。

 こうした高額療養費の仕組みを実感するのは、通院による治療が長引いた場合だろう。たとえば、がんになって放射線治療を受ける場合は、毎日のように通院するので、自己負担したお金が一定額に達すると、「医療費の1%」を支払えばいいという意味がよくわかる。