男子以上に多く見られる「隔年型」
2月実施の東京と神奈川での初回入試を中心とした各校の主要な入試について、その型(パターン)を読み解くことで、競争状況を予測する一つの材料を提供していきたい。前回の男子受験生編同様、2022年入試の受験者数が50人以上の学校を対象としている。
今回の女子受験生の対象となる入試は128校ある。受験者数の増減を基本に、実倍率変動の影響も加味して「型」分けした。ここで示す七つの型と該当校の数をまず一覧すると、毎年のように増減を繰り返す(2年連続増減も一部含む)「隔年型」が49校と、全体の4割近い。男子以上に女子は、前年の志願状況に左右される傾向が強いのかもしれない。
この5年間に概ね増加傾向が続いている「逓増型」13校、コロナ禍の21~22年に受験者数が跳ね上がった「急増型」10校、例年あまり変動しない「安定型」7校、20年前後にピークを迎え、22年は低下気味で緩和傾向にある「山の字型」24校、20年前後を底に回復傾向にある「回復型」12校、概ね減少傾向が続いている「逓減型」13校という状況にある。
まず、最も多い「隔年型」から見ていこう。
毎年きれいに受験生数の増減を繰り返す典型例として、2日午前の青山学院が挙げられる。受験者数(実倍率)を18年〜22年の順(以下同)に挙げると、467人(4.72倍)、536人(5.36倍)、489人(5.43倍)、546人(6.07倍)、464人(4.99倍)と毎年アップダウンを繰り返している。募集人員は70人で、18・19年には100人ほどの合格者を出していたものの、20年以降は90人前後まで絞っている様子もうかがえる。成城学園(一般第1回)は、171人(3.29倍)、223人(4.55倍)、219人(4.98倍)、230人(5.61倍)、214人(3.75倍)と、安定型に近い比較的小幅の動きを繰り返している。
女子校では、普連土学園(1日午前4科)の116人(1.57倍)、125人(2.05倍)、106人(1.86倍)、110人(1.75倍)、99人(1.68倍)や吉祥女子(第1回)の549人(2.22倍)、571人(2.45倍)、555人(2.69倍)、530人(2.57倍)、565人(2.80倍)も典型例だろう。23年もこのパターンが続くとすれば、普連土学園は受験者数増加、吉祥女子は逆に緩和となるのだが、このあたりは秋実施の模試の志望者数を見て判断してみたい。
渋谷教育学園渋谷(第1回)のように、250人(3.52倍)、271人(3.93倍)、251人(3.14倍)、243人(3.74倍)、286人(4.61倍)と、20・21年に続けて緩和した反動で22年が急増した例、桜蔭のように、521人(1.86倍)、510人(1.81倍)、532人(1.88倍)、561人(1.98倍)、534人(1.89倍)とボックス圏内で動きながらも、実倍率はギリギリ2倍未満で踏みとどまる少数精鋭の競い合いなど、各校の個性がうかがえる。