『週刊ダイヤモンド』9月8日号の第1特集は「まだまだあった不動産投資の罠」特集。多数の被害者を出した「かぼちゃの馬車」問題。その中心的役割のスルガ銀行とスマートデイズが描いた「スルガスキーム」の闇について、被害者のオーナー3人の話を基に明らかにしていく。

被害者のオーナー3氏

 「スルガスキーム」とは下図のように、スルガ銀行横浜東口支店を舞台に、シェアハウス運営会社のスマートデイズ(SD、旧スマートライフ)と、販売会社(不動産仲介業者)が連携し、投資家たちをセミナーに集めるところから始まった。

A氏 私は、将来の収入源として新築ワンルームを保有していましたが、それ以外にはSDのシェアハウスだけでした。2017年7月に販社から提案を受け、9月下旬に土地代約1億1400万円、建物代約4300万円の合計1億5700万円で契約し、スルガ銀の横浜東口支店から融資を受けました。

 土地が市場価格よりもかなり高かったので、販社の営業マンに聞きましたが、「パッケージなので交渉には応じられない」と拒否されました。そのときは「入居率は9割以上。仮に入居率が低くなっても問題ない」と言われました。

 SDは、地方から上京してくる女性を客付けし、家賃収入を得ます。また、彼女らに大手企業の仕事をあっせんし、その企業から紹介料を受け取ります。そのお金をサブリースの資金源に充てるというスキームでした。物件は未着工ですが、もしオーナーになっていれば、家賃保証が1戸当たり月7万円。管理費などを差し引いても、月70万円ほど残る予定でした。