五輪チケット「セカンドチャンス」に応募すべきではない理由今回、セカンドチャンスは朗報とも思えるが、人気種目は含まれていないなど、五輪組織委員会の思惑が見え隠れしています Photo:JIJI

応募者へのサービスと思いきや
組織委員会自身の救済措置だった!

「1枚も当たらなかった!」という悲痛な叫びが毎日の挨拶がわりのようだった数日を経て、東京五輪チケットの「セカンドチャンス実施」の報が届けられた。

「前回、当たった人は応募資格なし。全部外れた人だけが申し込める」と聞いて、「よっしゃ!」と叫んだ人は多いだろう。いわば、敗者復活戦。チケット販売に関してはいろいろな不手際や不満もあったけれど、今回の緊急決定は珍しく東京五輪組織委員会の思いやりを感じる措置ともいえる。第一印象としては、歓迎こそすれ、文句はない。

 秋に予定されていた「先着順販売」も、「抽選方式に見直された」とのこと。どう考えても先着順販売では混乱必至。ネットの熟達者が有利になるのは否めないので、当初からなぜその方式を選んだのか疑問は残るものの、現段階で見直しを決めた英断には拍手を送りたい。

 さてセカンドチャンスだが、少し内情を探り、実際に申し込むことを考えると、「組織委員会からのサプライズ・ボーナス!」と手放しで賞賛すべき対応でもなさそうだ。

 まず、なぜ実施を決めたのか? どうやら、当たったけれど購入しなかったという人が想定よりも多く、売れ残ったチケットの数が組織委員会の予想を大きく上回った。それがセカンドチャンス実施の大きな理由だったらしい。ということは、1枚も当たらなかった応募者へのサービスや配慮ではなく、五輪組織委員会自身を救済するための措置ではないか。本当に、どこまで運営側本意なのかと哀しくなる。

セカンドチャンスで
申し込むべき競技種目は何か

 気を取り直し、「それでも入手できるなら」と、申し込みの準備を始めるとしよう。販売種目はこれから発表されるが、「収容人数の多い種目の予選ラウンド」が主体で、人気種目の決勝などは今回のセカンドチャンスの対象から外れている。

 あくまで予想だが、野球、サッカー、ソフトボールなど、観客席の大きな種目の予選ラウンドが売りに出されるのだろう。私自身6枚当たった水球、周囲で「当選した」の声を複数聞いたボートなど、倍率が低かったのか、実施種目やセッションの多い種目などは今回も出てくる可能性はある。