妻の浮気が原因で離婚。突如、5歳の息子との父子家庭になった。手元に残された全財産は90万円。定時退社で保育園へ息子を迎えに行く毎日で、残業代ゼロ。年収400万円で、カツカツの生活だった。ギリギリの節約生活で、4年で1000万円を貯め、本格的に株式投資を開始。紆余曲折を経ながらも某企業の大株主になり、資産2億円以上を築いた。その投資術を初公開。いま息子へお金と投資の話を伝授する『どん底サラリーマンが株式投資で2億円』

株式投資 考えるPhoto: Adobe Stock

株価に一喜一憂しない
バイ&ホールドの「ほっとけ投資」

軍資金90万円から再スタートを切った資産は、ジェットコースターのような軌跡を経て、16年後に2億円を突破した。

それを支えてくれたのは、株価に一喜一憂しないバイ&ホールドの「ほっとけ投資」。

会社のオーナー気分で超長期保有する投資スタイルだ。

とはいえ、どんな銘柄でも超長期保有すれば、値上がりが期待できるわけではない。

では、「ほっとけ投資」に相応しい銘柄をどうやって見つけるか?

銘柄選定基準は極めてシンプルな4つだ。

●DokGen流「ほっとけ投資」銘柄選定4つの基準
(1)知っている会社
(2)たぶん倒産しない会社
(3)割安な会社
(4)小さな会社

それぞれについて順番に説明することにしよう。

DokGen流「ほっとけ投資」
知っている会社

『会社四季報』を隅から隅まで読み込み、財務内容や株価チャートを入念に分析して銘柄を選定する個人投資家もいる。

でも、『会社四季報』に載っている4000社近い上場企業を比較検討して、そこから目星をつける時間的な余裕と肉体的な労力は、サラリーマン投資家にはないのではないか。

少なくとも自分は、そうした回りくどいやり方で投資先を選んではいない。

重要なのは、自分がよく知っているセクター(業種・業界)で、なおかつ実際に使ったり見たりしたことがある製品・サービスを扱う会社に目を向けること。

その会社のビジネスモデルをよく理解し、なおかつ共感できる銘柄に投資するということを大事にしている。

よく知らない人に、お金を貸したりするだろうか。普通は貸さないだろう。

同じように、よく知らない銘柄に、投資しないのは普通のことだと思う。

適当に投資して運良く値上がりすることもあるだろうが、それでは再現性がない。

すでに触れたように、自分も最初は投資雑誌の推奨銘柄を鵜呑みにして買い、たまたま儲かったものの、次は大失敗した。

自分の頭で考えることを一切せず、何をつくっているのかよく知らないメーカーに投資して大損をしたのだ。

日本株は成長性が低いうえに、少子高齢化と人口減少で経済が縮小するから、より成長性の高い米国株に投資すべきだという意見もある。

それで実際に大きな資産を築いた個人投資家もいる。

のちほど語るように、自分はアメリカで1年くらい仕事をしたこともあるのだが、それでも米国株に手を出さなかった。

GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)を例に持ち出すまでもなく、世界的に製品・サービスを展開している米国企業は多く、利用者としては近い存在に感じられるのだが、投資的にはハードルが高いと個人的には思っている。

インターネットで世界中の情報が瞬時に手に入る時代になったとはいえ、米国株についてはやはり英語に堪能で、英語で一次情報を得られる投資家のほうが有利だろう。

その点、日本人には不利な面もある。

自分のような日本のサラリーマン投資家は、仕事を通して多くの日本企業を深く知るチャンスがある。だから、わざわざ米国株に手を広げなくても、日本株をターゲットにするだけで十分だと思っている。

日本で暮らしているなかで、コンビニ、ショッピングセンター、100均などを利用しているうちに、面白そうな新しい商品やサービスに出合う機会も少なくない。

そこに投資のヒントが眠っていることもある。

米国株を買うという選択肢もあるけれど、だからといって少なくとも日本株を買わない理由はない。