6月12日(現地時間)から、4年に一度のサッカー・ワールドカップ(W杯)が始まる。「日本はどこまで勝ち上がるか」、編集部から依頼を受けて、サッカーW杯と景気・株価などの関係を調べていく中で、いくつかの面白いジンクスが発見できた。そのジンクスによれば、日本代表はベスト8進出に希望が持てる。そうなれば、株価や景気にもいい影響が出るだろう。

NHKも新聞テレビ欄で
日本代表を応援

 いよいよ6月12日(現地時間)のサッカー・ワールドカップ(W杯)開幕が迫って来た。これに関して、「日本はどこまで勝ち上がるか、の予想」の執筆依頼を、編集部からいただいた。

 サッカー日本代表がW杯で活躍することは国民的関心事であり、これまでも景気や株価に影響を及ぼしてきている。

 6月2日の朝刊各紙のテレビ欄には同日午後10時からNHK総合で放送される、「プロフェッショナル 仕事の流儀」の放送内容紹介の「縦読み」が注目された。この日は、サッカー日本代表・本田圭佑選手の特集だったが、紹介の文章の一番左端を縦に読んでみると「日本ガンバレW杯」となっている。民放では過去にドラマ「半沢直樹」に絡んだ野球中継での例があるが、NHKでは珍しいことだ。それだけサッカーW杯が注目されていることの証拠だろう。

 これまで日本が出場し海外で開催された大会の国内のW杯の経済効果は、電通総研などにより概ね3000~5000億円規模と試算されてきた。日本代表の活躍は消費などを刺激する。

 さらにサッカーや野球など国際的な試合で日本が勝つと、日経平均株価も上がる可能性が高い。日の丸を背負って戦う選手を見た人たちは、『自分も頑張らなければ』と仕事へのやる気がアップし、物事の見方も前向きになるようだ。それが端的に株価にも表れるのだろう。

なでしこアジア杯初優勝で
視聴率、株価ともにUP

 顕著だったのは97年11月16日、サッカーW杯の初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」だ。深夜のテレビ中継にもかかわらず47.9%と50%近い視聴率を記録し、日本中が熱狂した。しかし、翌朝に飛び込んできたのは、北海道拓殖銀行の破たんのニュース。株式市場が混乱してもおかしくないほどのインパクトだが、そこはW杯初出場の効果だった。なんとその日の日経平均は、1200円も上昇した。