“内需”に支えられている神奈川の人気校
神奈川の入試解禁日は東京と同じ2月1日である。2021年はコロナ禍による東京からの受験者減が各校を直撃した。志願者数(出願者数)の上位10校には入っていないが、聖光学院(横浜市中区)のように1回目の入試が2日に設定されており、東京の1日入試校との併願が定番だった学校でも影響は大きく、21年は多摩川を渡らず渋谷教育学園渋谷(東京・渋谷区)に流れた男子受験生が多かったものとみられる。
次ページに掲載した図1「神奈川私立中学志願者数ランキング」を10位までざっと見てみよう。有名私立大の付属校と進学校がバランス良く並んでいることに気付くだろう。また、コロナ禍にもかかわらず、20年より志願者数を増やしている学校が散見されることにも驚かされる。東京からの受験生に頼らなくても、地元受験生という“内需”が大きいのも神奈川の特徴だ。
その典型が、JR根岸線沿いの1位山手学院(横浜市栄区)やバス便利用となる中等教育学校の9位桐蔭学園(横浜市青葉区)といった東京からは不便な比較的内陸部にある学校だろう。8位桐光学園(川崎市麻生区)も同様である。
逆に、東京からの志願者も多いのが男子校で唯一ランクインした5位浅野(横浜市神奈川区)である。受験者数では4位であり、3日に実施される1回の入試だけでこれだけの志願者を集めていることは特筆される。
女子校は対照的な2校が入っている。7位洗足学園(川崎市高津区)は受験者数では5位であり、JR南武線と東急田園都市線・大井町線が交差する交通の要所にあるため、広く受験生を集めている。かなり難化したこともあってか21年は少し減らしているが、浅野と順位を競うように、神奈川の女子校では実質的に1番人気となっている。