上位50校の9割を占める東京と神奈川
前回お届けした「国公立100大学合格力」による全国高校ランキングでは、ベスト50のうち、7割を公立高校が占めていた。ベスト10では首都圏と北海道が1校ずつで、残りはすべて関西圏が占めるという“西高東低”の状況が顕著に見られた。
今回は、難関私立14大学に関する「難関私立大学合格力」である。私大の両雄である早稲田大と慶應義塾大、それに上智大と東京理科大を加えた「早慶上理」、それを追う「MARCH」、関西の「関関同立」、名古屋からは南山大がその対象となっている。
のべ合格数を基に合格力を算出しているため、1人の受験生が複数の大学・学部から合格を得れば、それだけ合格力は高まることになる。そのため、内部推薦で系列大の特定の学部に進学する付属・系属校は合格力が低く出ることもあって、ここには掲載されていない。
こちらは圧倒的に首都圏の高校が名を連ねていて、ベスト50にある首都圏以外の高校は1校のみであり、首都圏の中でも東京と神奈川が9割を占める偏在ぶりである。まずはベスト10について、前回と比較しながら見ていこう。
ベスト10は、すべて東京と神奈川の高校となった。前回同様、上位10校のうち4校は私立中高一貫女子校が占めている。1位は、前回8位だった頌栄女子学院(東京・港区)である。3位には前回7位の鴎友学園女子(東京・世田谷区)、前回23位だった洗足学園(川崎市高津区)は5位へと躍進、10位の女子学院(東京・千代田区)は、前回3位から後退した。
前回4校がランクインしていた私立男子一貫校は、14位から6位となった攻玉社(東京・品川区)と2位から7位となったサレジオ学院(横浜市都筑区)の2校に半減した。前回・前々回と1位だった世田谷学園(東京・世田谷区)は、今回34位と大きく後退している。
その穴を埋めたのが、公立校だ。35位から今回2位に大躍進した東京都立小石川中等教育学校(東京・文京区)を筆頭に、都立や県立の公立中高一貫校のランクアップが目立っている。他には、神奈川県立の湘南(藤沢市)が前回と同じ4位に、都立日比谷(東京・千代田区)は17位から8位に、横浜翠嵐(横浜市神奈川区)は25位から9位へ上昇している。
こうしたランク変動の背景には、大きく三つの要因がありそうだ。次ページで上位の学校を眺めた後で、再び考えてみたい。