男子は増加基調の2023年入試
前回は23年入試の女子受験生が初めて受けた22年4月模試について見た。今回は男子受験生について取り上げる。22年の首都圏中学入試の総括はこちらの記事をご覧いただきたい。まずは、四模試(日能研5日、四谷大塚10日、首都圏模試17日、SAPIX17日)の4月模試の受験者数動向から見ていこう。
四模試それぞれの前年同月比受験者数(男女別)の増減を見ると、SAPIXは+4.6%(男子+6.7%、女子+1.8%)、四谷大塚は+1.8%(男子+3.6%、女子▲0.1%)、日能研は▲2.7%(男子▲2.3%、女子▲3%)で、いずれも男子受験生に勢いを感じる。ちなみに、日能研以外の模試は日曜日に実施されている。
首都圏模試について、前回記した増減率は「会場受験者のみの数字」とのご指摘を受けた。改めて自宅(塾内)受験者数を加えて比較してみると、+2.4%(男子+3%、女子+1.8%)となる。これを反映した四模試合計受験者数は+3.3%であり、22年4月模試受験者数は前年より大きく増え、史上最多水準の受験動向が23年も続きそうな勢いにある。個別の入試の志望状況については、今回も四谷大塚のデータで見ていくことにしたい。
まずは前哨戦ともいえる、1月10日から始まる埼玉の共学校から見ていこう。栄東の男子受験生は、1月10日と11日実施のA1はほぼ前年並みだが、12日東大特待は1割半増、16日Bは2割半増となっている。全国最多の受験生を集めた栄東は、23年入試もさらに勢いを増しそうで、首都圏受験生がさらに増加するという前触れになりそうだ。
大宮開成は、10日1回が3割増、14日2回が2割弱増だが、12日特待は1割減となっている。開智は、女子は増加傾向だったものの、男子は前年並みもしくは緩和傾向にある。獨協埼玉は、11日1回が4割半増と好調である。志望者数がごく少ないものの、埼玉栄は全体的に増加基調、星野学園は11日午後2回、細田学園は10日午前1回と12日2回で志望者が見えてきた。
男子校では、立教新座の25日1回が緩和傾向で2月3日2回が1割弱増となっている。志望者数がごく少ないものの、城西川越が各回とも微減、城北埼玉の1日午後特待が増加傾向だ。
茨城にある茗渓学園は、9日2回が1割半強、22日3回が7割弱と伸ばしている。
1月20日から始まる千葉はどうか。男子校はないので、すべて共学校であり、大学の系列校が中心となる。志望者は少ないものの、東海大学付属浦安は20日Aが5割強増、24日Bも2割強増と、人気続伸となりそうだ。同じく20日の専修大学松戸(1回)はほぼ前年並み、26日2回は微減だが、2月3日3回は志望者がごく少ないが増加基調にある。千葉日本大学第一は、21日1期が3割半増、26日2期が2割強増と好調継続である。
芝浦工業大学柏は、23日1回GSが2割半増、27日2回が6割増、志望者の少ない27日2回GSも2割増と全体的に大きく伸ばしそうだ。25日の成田高校付属は4割強増と、志望者数はそれほど多くはないが、健闘している。
志望者数がごく少ない入試では、日出学園の20日一般I期は4倍弱、23日一般II期は9割増と大きく増やした。同じく麗澤は、21日1回AEが1割半増、25日2回EEが4割強増と上向いており、八千代松陰は、20日一般が3倍弱となっている。
受験生が例年1000人以上を数える千葉の御三家を見ると、20日の市川1回は1割弱増、2月4日2回は3割弱増といずれも増加傾向にある。東邦大学付属東邦は、21日前期と2月3日後期のいずれもほぼ前年並みである。22日の渋谷教育学園幕張(渋幕)1次は微増、2月2日2次は前年並みとなっている。この渋幕に隣接する昭和学院秀英では、市川受験生の併願先となる20日午後特別が4割半増、2月2日2回も志望者は少ないものの2割増と好調だ。