多様性に配慮した学校に
――広島学院もそうですが、休み時間に上半身裸で行う「中間体操」が本校の名物ですね。
望月 2校時と3校時の間に、雨の日以外はグラウンドに出て行っています。いまはシャツを着てもいいことになっています。着衣を認めることにしたのは、男子校といえども多様な生徒がいることへの配慮です。教員から意見があり、議論した結果、3年ほど前に変えました。
――赤ふんどしで遠泳という男子校もありますが、こうした伝統行事も時代に合わせて変わっていくのでしょうね。ところで、週2回の部活動以外にも、同好会などさまざまな活動がありそうですね。
望月 中2になったら、サークルをつくりたいという生徒には、どんどんつくっていいと言っています。最近でも、文芸同好会をつくりたいというので、国語の先生が顧問に就きました。理科研究系の部活動も盛んで、物理研究部と生物研究部を合わせると学年の4分の1くらいになります。
――ところで本校では、帰国生向けの入試は行っていませんね。インターナショナルスクールの卒業生は受け入れているのですか。
望月 はい。現地の小学校を卒業した生徒が22年は1人入学してきます。最近は中国系の生徒も多いですね。イエズス会の学校なので、国内にある1条校以外の学校からも多様な背景を持った生徒を受け入れています。
――東京の男女御三家はそうではないので、インター出身の子たちは広尾学園や渋谷教育学園が受け入れているようですから。
望月 本校の図書館では、「矢」という雑誌を図書委員の生徒たちが作っていますが、「きょういんの矢」というのもあって、教員に配られます。これは教員たちが自分の担当教科以外も含め、さまざまな分野の書籍を自主的に紹介するもので、それを読むとこの学校の楽しい雰囲気がよく分かります。
卒業生たちは、さまざま形で母校を支援してくれています。OBゼミといって毎年1人ずつ、各界で活躍する卒業生が現役生のために講演してくれる会が、もう30年以上続いています。さらに卒業生の中には、自主的にインターネットラジオで本校教員のインタビューを流したり、今年2月からは「栄光ヒミツキチ」というウェブマガジンまで作り、卒業生同士や栄光生をつないでいます。