公立校が多数を占めるベスト26~50位

 ここからは図2の全大合格力ランキング26~50位を見ていこう。5校を除くと、他はいずれも公立校である。ここでは国立2校と私立男子3校を見ておこう。

 全大30位・20大43位の名古屋市にある東海は、私立大も含む医学部医学科の合格者数が全国トップという状況が続き、医学部志向の強い学校として全国に名をはせている。全大35位・20大33位の洛星は京都トップの男子校である。かつては京都大合格者数トップを誇っていた。もう一校、東京の駒場東邦は、全大こそ46位だが、20大は13位と上位にある。それは、東京大合格率が31.4%と全国で5番目に高いことが反映しているからだ。

 この3校の合格者数の多い国公立大を見ておこう。東海は名古屋大67人、東京大38人、京都大25人、名古屋市立大16人、岐阜大14人と卒業生数の多さをフルに発揮している。洛星は京都大39人、大阪大16人、神戸大12人、京都府立医科大9人、大阪公立大8人、駒場東邦は東京大72人、一橋大13人、京都大11人、横浜国立大9人、東京工業大8人となっている。

 国立の2校はいずれも広島大学の付属校である。やはり合格者数の多い国公立大を見てみると、全大39位・20大36位の広島大学附属福山は広島大20人、京都大と岡山大16人ずつ、九州大11人、大阪大10人なのに対して、全大50位・20大19位の広島大学附属は広島大35人、大阪大18人、神戸大13人、九州大10人と、広島大合格者数で差が開いた印象である。

 全大で50位までに入らなかったものの、20大合格力ランキングでは50位以内だった学校は20校ある。県立高では14位新潟県立新潟、40位奈良県立奈良、42位千葉県立船橋、44位福岡県立修猷館、47位長崎県立長崎東、49位は千葉県立千葉、福岡県立明善、大分県立大分上野丘の3校が該当した。これら公立校については次回詳しく見てみよう。

 ここでは国立1校と私立10校について見ておきたい。国立の大阪教育大学附属池田は、全大こそ58位だが、20大11位と全国でもトップクラスの合格実績を誇る。

 東京の私立男子御三家では、15位開成と20位麻布が入っていた。武蔵は54位である。神奈川の私立男子御三家では、29位聖光学院と31位栄光学園が僅差で並ぶ。両校の東京大合格率を見ると、34.1%対25.8%で、現状では聖光学院がリードしているようだ。もう一校、カトリック校として25位に広島学院が入っている。    

 私立の女子中高一貫校では唯一、41位に桜蔭の名前があった。とにかく医学部志向が強いこともあり、私立大の医学部進学者も多いことがこの位置にいる理由だろう。ちなみに東京大合格率は31.2%と、駒場東邦とほぼ互角である。
 
 私立の中高一貫共学校では、25位に千葉市にある渋谷教育学園幕張(渋幕)、48位に京都の洛南が入っていた。ちなみに渋幕の東京大合格率は21.2%で、共学校ダントツの実績を上げている。

 次回は、公立校の「国公立大合格力ランキング」について見てみたい。