
情報工場
第38回
「選択と集中」はあまりにも有名な定石で、かつ平易な日本語のため、わかった気になりやすい。考え違いや考察不足につながりがちだ。つまり経営者が「選択と集中」の意味を正しく理解していなかったり、曲解するせいで、さまざまな失敗が引き起こされている。それは、いったいどういうことなのだろうか。

第37回
コミュニケーションでもっとも大事なのは「伝えること」ではなく「伝わること」。ジャパネットたかたの前社長・高田明氏はそう説明する。テレビショッピングでは、商品の良さをただ「伝える」のではなく、どうしたら視聴者に「伝わる」かを第一に考える。つまり相手の立場になり、「伝わる伝え方」を探っていくのだ。

第36回
我々は他者の指示を受けてばかりいると、自分の頭で考えたり新しいことを覚えられなくなってしまう生き物である。職場で、カーナビ依存のように自分の頭で考えられない部下に手を焼いている人も多いのではないだろうか。

第35回
企業で新たな技術が開発されると一般的には権利を守るために特許出願が推奨される。だが、特許出願がアイデアを保護するどころか、盗用につながるケースもあるという。サントリー「伊右衛門」は製法を特許化し、コカ・コーラは製法を特許化していない。この戦略の違いはどんな差を生むのか。

第34回
ロボット研究者の大阪大学・石黒浩教授と人工生命の研究者・東京大学の池上高志教授が共同で「機械人間オルタ」を開発。ともに「人間とは何か」という根源的な問題に興味を抱き、それぞれ異なるアプローチで研究を続けてきた二人の天才科学者の共同開発から見えてきたものとは。

第33回
元ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズは「自分はどうせダメだというマイナス思考が、成功を阻む」と言っている。日本人選手たちは当初「自分たちは弱い」という強固な思い込みにとらわれていた。彼らのマイナス思考を払しょくするためにジョーンズ氏は、「ジャパン・ウェイ」をチームに根づかせた。それは「日本人らしさ」を徹底的に生かした戦略だった。

第32回
日本企業は「ルールは政府がつくるもの」という「受け身」の意識が強く、上からのルール変更に対する迅速な適応が最優先され、ルール自体の構想段階から能動的に参画する意識が欠落している。一方欧米企業は、企業と政府が同じ土俵であるべきルールを議論するべきという認識で動いている。それが日本企業と欧米企業の成長速度の差となっているのではないか。

第31回
「影響力」は、いわばリーダーシップを発揮したり、マネジメントを行うための基礎体力のようなもの。「影響力」が弱ければ、どんなにスキルの高いリーダーやマネジャーも、そのスキルを存分に生かすのは難しいだろう。では、影響力を持ち続け、発揮するためにはどうすればいいのか?

第30回
スティーブ・ジョブズ氏が禅に強い影響を受けていたことはよく知られている。彼は、禅に通じる「シンプルで美しく、見えないところまで美しく」という考え方を徹底させて大ヒット商品を生み出していった。このように仏教や禅がフォーカスされ、自ら体験したい人が急増しているのは、なぜなのだろうか。

第29回
子どもの頃にレゴで遊んだ経験のある方も多いだろう。単なるおもちゃと言ってしまえばそれまでだ。だが、そのおもちゃを使ってビジネスのビジョンをつくる方法とは、いったいどんなものだろうか?

第28回
買い物履歴をコンピュータが「認知」し、その人が次に必要とするであろう商品を予測したり、白血病治療でAIが膨大な論文情報をもとに患者の症状を「認知」し、病名や治療法を診断するなどは、いずれも過去30年のインターネットを中心としたデジタル・テクノロジーの進化がもたらした新たな動向だ。この先には、いったいどんな未来が待っているのだろう。

第27回
成功企業の創業者たちは、何でもないアイデアや、漠然とした夢やビジョンを出発点にして起業し、短期間のうちに巨大なビジネスへと成長させることに成功している。彼らが成功するまでのプロセスには共通した6つのスキルがあるようだ。

第26回
最高のリーダーになる秘訣は何か。「部下に友人のようにやさしく接し、明確な目標を掲げ、できる限りの指揮・指導を与える。そしてことあるごとにフィードバックを伝え、間違いや失敗を恐れない空気をつくり出す」。これができれば「良いリーダー」にはなれる。しかしそれだけでは「最高のリーダー」の条件にはならない。

第25回
人は毎日さまざまなレベルの判断を行い、問題解決を繰り返しながら仕事や生活をしている。自分一人のことを決めるならまだよいが、組織全体の方針を決めたり、大きなビジネスに関わる意思決定をする場合は、たくさんの情報をもとに総合的な判断をしなければならない。周囲に反対された場合は説得することも必要だ。ビジネスパーソンは皆、日頃から判断力を鍛えておくべきだろう。

第24回
レッドチームは、組織の多数派や上層部に対してあえて反対意見を述べる「悪魔の代弁者」の役割を担うことを目的に作られる。国際安全保障と軍事戦略が専門のゼンコ氏は、CIA長官から企業幹部、スーパーハッカーまで、200人以上のレッドチーム実践者へのインタビューを通して様々な分野での事例を収拾。それをもとにレッドチームの機能・思考法についてまとめあげた。

第23回
UberやAirbnbといった、インターネットを用いたいわゆる「シェアリングエコノミー」のサービスが欧米を中心に広まり始めている。今後、インターネットを活用したこのようなイノベーションが、タクシーや宿泊業界だけでなく、さまざまな産業で起こると考えられる。日本がこうした世界の潮流に乗り遅れないためにはどうするべきなのだろうか。

第22回
イギリスの欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票では、離脱支持票が残留支持票をわずかに上回ったため、多数決の原則に則り、離脱の方針が決まった。この結果を受けてポンドは暴落。残留支持が多かったスコットランドは独立機運が再燃するなどイギリスは混乱に陥っている。これほどまでに深刻な結果を招く決定を、そもそも単純な多数決に委ねてよかったのだろうか。

第21回
「この仕事を10日でやってほしい」と依頼された場合、まだ10日もあるからと、仕事を放置してしまい、結局納期ギリギリに3日徹夜、最悪の場合、納期に間に合わなかった、ということがあるのではないだろうか。だが、本書の著者・中島聡氏は「一度も納期に遅れたことがない」のだそうだ。

第20回
ゼロからイチを生み出す(ゼロイチ)人というのは並みはずれて優秀であったり、何か特殊な才能を持っているように思うかもしれない。だがゼロイチに必要なのは「才能」ではなく「練習」だ。失敗のリスクを恐れずに既存の枠からほんの少しはみ出す行動を続けているかどうか、トライ&エラーを繰り返し、その経験から学び続けているかどうかがゼロイチの成否を分ける。

第19回
アメリカであれば、今いる会社で自分が正当に評価されていないと感じた時には、キャリアアップのために「転職」を選ぶ人が多い。日本では最近は転職する人が増えたとはいえ、まだまだ人材流動の環境が整っているわけではない。悩みを抱えたまま転職することもできず、今いる職場で悶々としている人も多いのではないか。
