「感じがいい」けど「記憶が悪すぎる」人にどう対処したらいい? Photo:PIXTA「感じがいい」けど「記憶が悪すぎる」人にどう対処したらいい? Photo:PIXTA

「感じが良い」というのはとても貴重なスキルだ。特に接客業や、社外の人と接することが多い職業においては大きな武器となる。ところが世の中には「感じが良いのだがどうにも忘れっぽい人」というタイプが存在する。予約の電話を受けたのに忘れるミス、日程変更の連絡を受けたのに関係者に伝えるのを忘れるミス……いくら感じが良くても、こうしたミスが続けば仕事は立ちゆかなくなってしまう。どうしたら、こうしたミスをなくせるのだろうか。(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)

対人関係が苦手な者よりは感じの良い応対ができる

 仕事をする上で、「感じがいいこと」は意外と大切なものである。一般的な仕事でも感じの良さは職場のいい雰囲気を醸し出すし、特に接客などお客を相手にすることが多い仕事の場合、対人関係が苦手だったり、感情コントロールが苦手だったりする従業員は、ぎこちない対応をしたり、トラブルになったりしがちだ。

 例えば対人関係が苦手な従業員が接客する場合、客を前にすると緊張感が走るため、ちょっと気を抜くと笑顔で応対していなかったり、臨機応変の対応ができなかったりする。また、感情コントロールが苦手な従業員が接客すると、自分の感情が表にすぐに出やすいため、客からのクレームに対して怒りの感情が湧き上がり、つい失礼な物言いをしてしまい、トラブルになる……といったことが起こることが珍しくない。

 一方、対人関係が得意で、感情的になることもない、穏やかな従業員の場合は、客に対して常に笑顔で応対できるし、常連さんとは雑談を交わしたりして親密な雰囲気を醸し出せるなど、頼りになる戦力といえる。

 ところが、感じの良い従業員に手を焼いている管理職というのも、結構いるのだ。感じよく接客できるなら、多少のことには目をつぶればいいのではと思うかもしれない。でも、そうした従業員を抱える管理職は、かなり深刻に悩んでいたりする。