枝久保達也
JR九州「29年ぶり値上げ」で定期は3割アップ!JR東・西日本も値上げへ動き出したワケ
JR九州は7月19日、鉄道運賃の値上げを国土交通省に申請したことを発表した。実施予定日は2025年4月1日で、平均の改定率(値上げ率)は普通運賃が14.6%、新幹線特急料金が12.4%で、通勤定期については30.3%の大幅な値上げとなる。1996年以来、29年ぶりの値上げに踏み切った理由とは。

JR東日本の新サービス「えきねっとQチケ」と「新幹線eチケット」いったい何がどう違う?
JR東日本は10月1日、Suicaエリア外でもチケットレスで乗車できる「えきねっとQチケ」を東北地方で開始する。同社のチケットレスサービスでは、ICカードを利用した「新幹線eチケットサービス」もある。2つのサービスの大きな違いとは何か。

JR東・西はなぜ車両の「脱オーダーメイド」を検討するのか?装置・部品の「共通化」構想の狙いとは
JR東日本とJR西日本は7月5日、旅客輸送量や労働生産人口の減少が見込まれる中、将来にわたり鉄道輸送事業を維持発展させ、利用者への安定的な輸送サービスを提供する目的で、車両の装置・部品共通化の検討を開始したと発表した。その狙いと、今後の可能性とは。

ロマンスカーはひとつの文化?小田急が鉄道会社で初めて「登録博物館」を持てたワケ
小田急電鉄は6月28日、神奈川県海老名市で運営する「ロマンスカーミュージアム」が同21日付けで博物館法の「登録博物館」として登録されたと発表した。大手私鉄で同種の施設がある中で、事業におけるメリットがほとんどない「登録博物館」を目指した小田急電鉄の狙いとは。

北陸新幹線の延伸ルートでちゃぶ台返し?終わったはずの「米原ルート案」が再燃したワケ
日本維新の会国会議員団の馬場伸幸代表と教育無償化を実現する会の前原誠司代表は6月18日、北陸新幹線の敦賀以西について、着工のめどが立たない「小浜・京都ルート」ではなく「米原ルート」に変更することを求める「北陸新幹線大阪延伸ルートに関する提言書」を、斎藤鉄夫国土交通相に提出した。なぜ今、米原ルート案が「再燃」したのか。

「地下鉄の父」があわや海の藻くず?日本の地下鉄と第一次世界大戦の浅からぬ関係とは
今から110年前の6月28日に発生した、セルビア人青年によってオーストリアの皇太子夫妻が殺害された「サラエボ事件」。第1次世界大戦はここから始まった。そのさなかにヨーロッパへ向かったのが、日本の「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次だ。日本の地下鉄史と第1次世界大戦との密接な関係とは。

JR東日本が「エキナカ」から「マチナカ」へ、不動産事業“方針転換”の狙いとは?
JR東日本は7月1日、グループの社有地開発や新規不動産の取得・開発を行う子会社、JR東日本不動産株式会社を設立する。これまでの「エキナカ」を中心としたまちづくりから「マチナカ」へと不動産事業の領域を拡大する狙いと勝算とは。

JR東日本などの「紙きっぷ」がなくなる?「磁気式乗車券」が消えゆく当然のワケ
JR東日本と東武を含む関東私鉄7社は5月29日、磁気式の「普通乗車券(近距離券)」を2026年度末以降、QRコードを使用した乗車券に置き換えると発表した。2020年以降、各地で実証実験が行われてきたQRコード乗車券が、いよいよ本格的な普及に向けて加速しはじめた。各社が磁気乗車券の廃止に乗り出す背景と、普及への課題とは。

鉄道の「減便」「値上げ」で利用者は置き去り?大手私鉄15社の決算で浮き彫りになった課題とは
大手私鉄15社の2023年度決算が出そろった。昨年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行したことで、事実上のアフターコロナ元年となった2023年度は、2020年以来「非常時」に置かれていた鉄道各社の経営に光明が差した1年だった。しかしコロナ禍以降、鉄道の利用形態が大きく変わったことが示すように、事業のあり方は元には戻らない。2023年度と2024年度は、本当の意味での「アフターコロナ」の事業像を探るターニングポイントなりそうだ。

鉄道の障害者割引は「半人前扱い」「謎ルール」なのか?JR・大手私鉄が単独割引をしないワケ
鉄道各社は近年、障害者向けの割引制度などのサービス拡充を進めている。だが、現在の割引制度は障害者福祉の観点から不十分との声も根強い。割引を拡大する事業者と当事者の間に、どんな隔たりがあるのだろうか。

JR上場4社が大幅増益、相次ぐ値上げと合理化は「コロナ危機への便乗」か?
JR東日本・西日本・東海・九州の上場4社が2023年度決算を発表した。昨年5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染法上の5類に移行し、行動制限がなくなったことで、通勤定期利用を除く鉄道利用はほぼ正常化した。決算内容も、2023年度が事実上の「アフターコロナ元年」とだったことを示しており、今回の決算は「ニューノーマル(新しい常態)」の基準点として見ることができそうだ。

「地下鉄なのに天窓が…」東京メトロが東西線の駅「大改造」に巨費を投じるワケ
東京メトロは5月11と12日の2日間、東西線東陽町~西葛西間を終日運休し、南砂町駅の線路切り替え工事を実施した。これはホーム1つを2本の線路が挟む「1面2線」構造の南砂町駅を、ホーム2つと線路3本の「2面3線」に造り替える大改造工事で、今回の工事は完成までに3回行われる切り替え工事の初回である。予定通りに完成するとしても構想から16年の大事業だが、そこまでして南砂町駅を大改造する理由とは何なのか。

東武野田線が新型車両を導入へ「6両→5両化」で朝ラッシュに懸念も
東武鉄道は4月16日、東武野田線(アーバンパークライン)に新型車両「80000系」を2025年春から導入すると発表した。一方、この新型車両の導入とあわせて、野田線に大きな変化が訪れる。現在、全ての車両が6両編成の野田線であるが、「80000系」は5両編成で登場し、継続して使用される「60000系」についても5両編成に改造される。コロナ収束で需要が回復する中、5両化で混雑率がコロナ前を上回る懸念もある。

「コロナ禍のダイヤ改正」西武鉄道と東武鉄道で対応がくっきり分かれたワケ
鉄道の「商品」であるダイヤをいつ、どのように見直すかは、各社にとって最も重大な経営判断だ。コロナ禍により、終電時刻の繰り上げや度重なるダイヤ改正が行われたが、数年のうちにここまで目まぐるしく変わり、利用者は困惑していることだろう。利用者の激減と巨額の赤字という前例のない危機に対応せざるを得なかった事業者を責めることはできないとしても、どのようなダイヤ改正であればユーザーフレンドリーだったのだろうか。今回は、そのヒントになるかもしれない西武鉄道の対応について解説したい。

太っ腹すぎるって!JR東日本の「ネット銀行参入」にSNS沸騰、同社の狙いとは?
JR東日本は5月9日からデジタル金融サービス「JRE BANK(JREバンク)」を開始する。利用者はインターネットで専用口座を開設すれば、振り込みや預金、住宅ローンなどのサービスに加え、利用状況に応じ、鉄道利用に関するさまざまな特典が受けられる。JR東日本はなぜ今、銀行サービスに乗り出したのか。また、利用者は具体的にどのような特典を得られるのか、詳しく解説する。

大井町線はかつて「田園都市線」だった…田都40周年のフクザツな歴史
4月9日で東急田園都市線は全線開業から40周年を迎えた。渋谷から中央林間まで31.5キロを結ぶ田園都市線は複雑な成り立ちを持つ。首都圏屈指の通勤路線がどのように形成されてきたのか、歴史を振り返りたい。

川勝知事の辞職でリニア進展?JR東海が今度こそ「地域目線」で取り組むべきこと
静岡県の川勝平太知事が突然、辞職の意向を表明した。リニア中央新幹線の静岡工区での着工に反対してきた同知事の辞職により、早期開業への期待の声も聞こえる。いずれにせよ、今後工事が進められる中で、気になるのが各県に一つ設置される中間駅の周辺開発だ。これについてJR東海はようやく一つの方向性を提示した。それが3月25日、建設中の神奈川県駅の一角にオープンした「FUN+TECH LABO(ファンタステックラボ)」だ。現地を訪れ、取材した。

東京メトロが今年度いよいよ株式上場か?政治に翻弄された「民営化20年」
東京メトロは4月1日、民営化から20年の節目を迎えた。筆者が入社したのは民営化2年目のこと。当時、株式上場・完全民営化は「目前」とされたが、いまだ実現はしていない。前身である帝都高速度交通営団(営団地下鉄)から始まった、完全民営化への取り組みの歴史を振り返る。

リニア新幹線、静岡工区と名古屋~新大阪間の同時建設は難しい?JR東海が「無理」と一蹴する理由
リニア中央新幹線をめぐるJR東海と静岡県の協議は、具体的な進捗を見ないまま2024年度に持ち越されようとしている。JR東海は果たしてどんなことを考えているのか、多くの人が漠然と抱いているだろう疑問を、同社にぶつけてみた。

春のダイヤ改正「減便」はいつまで続く?乗客戻っても“コスト削減”のナゼ
恒例の春のダイヤ改正が3月16日に行われた。振り返ればコロナ禍以降、各事業者は朝夕のラッシュから深夜時間帯、日中まで運転本数を大幅に削減した。だが、鉄道需要が回復する中、「アフターコロナ」に向けた輸送体制の整備が問題となるのは確実だ。
