枝久保達也
なぜ今、鉄道運賃が次々に値上げ?「数年ごとの値上げ時代」突入が濃厚なワケ
      
      コロナ禍による業績悪化などを背景に、鉄道各社で運賃改定が相次いでいる。25年ぶりの運賃値上げラッシュはなぜ起きたのか。運賃制度の仕組みや現行制度の問題点とともに解説する。
      
    
まさか実物大で…JR東海の「秘密に包まれた研究施設」で見た驚きの安全対策とは?
      
      JR東海は24日、愛知県小牧市の総合技術本部技術開発部(小牧研究施設)を報道公開した。東海道新幹線をはじめとするJR東海特有のさまざまな課題を解決するための「秘密に包まれた研究施設」における数々の取り組みについて、詳しく紹介したい。
      
    
「こりゃ本気かも…」西武トップが「新宿線と東西線の直通運転」に“前のめり発言”した事情
      
      不動産の流動化を進める西武ホールディングスが、鉄道事業でも攻勢に出ている。2025年に入り運賃改定を申請し、新宿線の沿線価値向上に注力する。こうした中、5月の決算会見ではトップの口から東京メトロ東西線との相互直通運転構想について踏み込んだ発言まで飛び出した。果たして実現の可能性はあるのだろうか。
      
    
そりゃ無理だろ…北陸新幹線「地下トンネル案」に京都がNO、計画実現への「最大の壁」とは?
      
      北陸新幹線の新大阪延伸計画を巡り、京都市議会は6日の本会議で、市内の地下にトンネルを作るルート案に反対する決議案を賛成多数で可決した。さらに収支採算性についても、建設費高騰により見通しが崩れ、着工条件を満たせない事態に陥っている。事業の進展は困難を極めており、北陸新幹線は今、大きな岐路に立たされている。
      
    
「えっ、もう次期スカイライナー?」京成が挑む「成田空港アクセス改革」の“3つの切り札”とは
      
      京成電鉄は5月21日、2025年度から2027年度の中期経営計画「D2プラン」を策定したと発表した。これは2022年度から2030年度までの長期経営計画「Dプラン」の第二段階に位置付けられたもので、「空港アクセス強化の推進」と「外部環境変化への体制強化」を通じた体質変革を目標に掲げている。空港アクセス強化で注目すべきは「次期スカイライナーの検討」「新型有料特急の導入」「成田空港周辺の単線区間の複線化」の3つだ。それぞれについて解説する。
      
    
JR九州だけがなぜ大幅黒字?…北海道・四国と大差がついた納得の理由【2024年度決算】
      
      前回の記事で取り上げたJR東日本、JR西日本、JR東海の「本州三社」に引き続き、JR九州、JR北海道、JR四国の「三島会社」の2024年度決算を通じて、各社の現在地と今後の課題を見ていきたい。
      
    
黒焦げの死体が積まれ、地面には黒い油が…表参道を地獄絵図に変えた「もうひとつの東京大空襲」とは
      
      太平洋戦争末期の1945年5月25日深夜から26日未明にかけて行われた大空襲から80年となる。下町を焼き払った3月10日未明の東京大空襲に対し、山手地域に甚大な被害をもたらしたことから「山手大空襲」とも呼ばれる。B29による無差別爆撃は都心を火の海に変え、運行終了間近の地下鉄も巻き込まれることになった。関係者の証言を手がかりに「もうひとつの東京大空襲」を振り返る。
      
    
非鉄道で稼ぐJR東日本、「新幹線一本足」のJR東海…好決算の中味はまるで別物だった【JR3社決算】
      
      JR旅客6社の2024年度決算が出そろった。JR東日本、JR西日本、JR東海、JR九州の上場4社はいずれも増収増益となった。非上場のJR北海道は増収増益、JR四国は増収ながらわずかに減益となった。いずれもコロナ禍からの輸送需要の回復を背景に好決算となったが、各社が置かれた状況はそれぞれ異なる。今回は「本州三社」を見ていこう。
      
    
「これが日本の鉄道技術か…」海外も注目するJR東日本の「信号機不要」の制御システムとは
      
      2月24日付『「鉄道の信号機」もう不要?140年の歴史を変える「次世代信号システム」が革新的すぎた!』で取り上げた通り、今後の鉄道事業が持続可能性を高めるために不可欠なのが「無線式列車制御装置(CBTC = Communication Based Train Control)」だ。JR東日本は、CBTCの一形態とも言える独自の無線式列車制御システム「ATACS」をすでに一部路線に導入しており、さらに2028年以降の山手線・京浜東北線への導入に向けて準備を進めている。ATACSとはどのようなシステムなのか、同社に話を聞いた。
      
    
「そりゃ普及するわ…」JR西日本のICOCAが急拡大、PASMOと明暗分かれた納得のワケ
      
      JR西日本のICカードICOCAの導入事業者が3月で50社を超えた。東日本でPASMOが停滞する一方、ICOCAはなぜ急速に普及しているのか。JR西日本の担当者に話を聞いた。
      
    
「並ばない万博」以前の問題だろ!ガラガラなのにバスに乗れない“謎システム”にため息が出る…
      
      4月17日に取材で大阪に行く機会があったので、翌18日に「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」を訪れてみた。取材は半月前から決まっていたが、13日に万博が開幕することに気づいていなかった。11日に万博開幕間近を伝えるニュースを見て、せっかくだから寄ってみることにしたのである。筆者はこれまで国際博覧会に行ったことがない。1985年の「つくば博」はまだ3歳であり、1990年の「花博」は関東在住のため行く機会がなく、2005年の「愛・地球博」は大学4年生で何かと忙しく行こうという発想がなかった。そのため、本稿では過去の万博との比較や、個人の関心や好みに左右されるコンテンツの批評は避ける。また、メタンガスなど現在進行形の問題についても取り上げない。あくまでも交通を中心とする流動についてリポートしたい。
      
    
そりゃ親子が夢中になるわ…「JR東の無料イベント」が鉄道ファンじゃなくてもドハマりするレベルだった!
      
      3月27日にまちびらきを迎えた「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」。当連載の3月31日付記事では開発の経緯と概要を取り上げ、最後に高輪の150年の変化を知ることができる企画展「未来へつながる 鉄道とまちづくり展」を紹介した。これがなかなか面白い内容だったので、今回はゴールデンウィークに初めて高輪ゲートウェイシティを訪れる人に向けて、企画展の内容を紹介したい。
      
    
「蒲田の“空白ピース”がついに」…東急「新空港線」実現で羽田空港アクセスはどう変わる?
      
      東急電鉄は4日、東急多摩川線を矢口渡~蒲田駅間から地下化し、京急蒲田駅付近まで約1.7キロ延伸する「新空港線」について、国土交通省から都市鉄道等利便増進法に基づく営業構想の認定を受けたと発表した。約1250億円を投じる計画に期待されることとは。
      
    
もはやSFの世界だわ…「高輪ゲートウェイシティ」開業で垣間見えた“未来の街”とは?
      
      JR東日本が社運を賭けるプロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が3月27日、まちびらきを迎えた。都心では最大級となる約10ヘクタールの都市開発は、どのように結実したのか。筆者は3月25日に行われた内覧会と、開業翌日の28日に現地を訪れた。
      
    
そりゃ高くても乗りたくなるわ…東海道新幹線に導入の「半個室」の気になる料金
      
      JR東海は3月19日、2027年度に東海道新幹線へ半個室タイプの上級クラス座席を導入すると発表した。同社は2022年に「グリーン車の上級クラス座席」の導入を検討すると表明。2024年4月には、2026年度中に「個室」を導入すると発表しており、今回の「半個室」は第2弾の位置づけとなる。
      
    
阪神電鉄は初の座席指定、東北新幹線はグランクラス「消滅」…鉄道各社の新型車両が大変化!
      
      早いもので、今年も3カ月が過ぎ、2024年度は間もなく終わりを迎える。年度末ということで、2025年度あるいは、その先を見据えた車両関係の取り組みが次々発表されているので紹介していこう。
      
    
年間81万件の「顧客の声」を“使える資産”に変えた、JR西日本のAI活用が画期的だった!
      
      顧客との重要な接点である「お客様センター」には日々、多数の問い合わせが寄せられる。例えば、JR西日本の問い合わせ件数は年間約81万件、1日当たり約2200件の電話と約200件のメールが送られてくるという(2023年度)。こうした「顧客の声(以下VoC=Voice of Customer)」は、顧客のニーズを把握する貴重な経営資源であるが、必ずしも活用されていなかったのが現実だった。この経営課題に対し、JR西日本グループは生成AIを活用したVoC分析パッケージを開発。その開発者に話を聞いた。
      
    
「熱くて呼吸苦しくおそろしさとで一心に祈る人が、つぎつぎと息たえて…」東京大空襲で生き延びた人が逃げ込んだ「意外な場所」
      
      1945年3月9日夜から10日未明にかけて行われた「東京大空襲」から80年を迎えた。この空襲で東京下町のほぼ全域、現在の東京23区の3分の1以上にあたる約41平方キロを焼失。100万人が家を失い、推定10万人以上が死亡した。第二次世界大戦中の空襲による日本人民間人死者数は約40万人、原爆投下の死者を除けば約20万人である。つまり通常の空襲による死者の半分が3月10日の東京下町で生じたことになる。当時、20歳だった人ももう100歳。当事者の証言、記憶は失われつつある。当時、東京唯一の地下鉄(現在の銀座線)沿線で暮らしていた下町の人々は、最悪の夜に何を目撃したのだろうか。
      
    
山陽新幹線でとん挫した「夜行新幹線」構想、実現しなかった“幻の座席”とは?
      
      山陽新幹線は3月10日、新大阪~博多間の全線開業から半世紀を迎える。東海道新幹線に続く第2の路線としてさまざまな新技術が導入され、今もJR西日本の屋台骨であり続ける同線には「夜行新幹線」構想が存在した。なぜこのような構想が浮上し、そして消えていったのか。
      
    
「鉄道の信号機」もう不要?140年の歴史を変える「次世代信号システム」が革新的すぎた!
      
      西武鉄道は1月末、多摩川線の営業運転終了後に実列車を用いて行っていた無線式列車制御(CBTC)システムの実証試験を完了した。検証結果をもとに、2030年代に全線への導入を目指す次世代信号システムの方式を決定する。鉄道の安全は信号システムによって担保される。CBTCとはどういうものなのか、その革新性も含めて詳しく解説する。
      
    