JR3社が2桁増益の好決算、課題も見え隠れする「それぞれの事情」とは?JR本州3社の「アフターコロナ」は、これまでとは異なる三者三様の展開を迎えそうだ Photo:PIXTA

JR東日本、JR西日本、JR東海の「本州3社」は7月30日、2024年度第1四半期決算を発表した。3社とも増収増益の好決算となった。だが、その内容は、各社の「アフターコロナ」が、これまでとは異なる三者三様の展開を予感させるものとなった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

JR東日本は大幅な増収増益
主要3セグメント全てが貢献

 JR東日本、JR西日本、JR東海の「本州3社」は7月30日、2024年度第1四半期決算を発表した。新型コロナウイル感染症は現在も「第11波」の感染拡大が続いているが、2023年5月に感染法上の「5類」に移行したことで、非常事態としての「コロナ禍」は一応の収束を迎えたといってよい。そういう意味で、2024年度は本当の「アフターコロナ」元年といえるだろう。

 JR東日本は、連結営業収益が前年同期比約572億円増(約9%増)の約6867億円、連結営業利益が同約404億円増(約50%増)の約1205億円、連結経常利益が同約390億円(約58%増)の約1065億円となった。

 これはコロナ前の2018年度同期比(2019年はゴールデンウィークが10連休という特殊条件なので除外する)で、連結営業収益は約95%、連結営業利益が約87%、連結経常利益が約86%の水準となる。ただし2019年の消費税率改定や、2020年の収益認識に関する会計基準適用の影響があることは留意されたい。

 大幅な増収増益は運輸事業、不動産・ホテル事業、流通・サービス業の主要3セグメント全てが貢献している。特に運輸事業は対前年同期で営業収益が約289億円増収しているのに対し、営業利益は約251億円の増益となっている。