枝久保達也
あわや脱線…山形新幹線「つばさ」がまたオーバーラン、“約1年で2度のトラブル”なぜ大問題なのか?
東京に雪が降る日には何かが起こる――。桜田門外の変や2・26事件を論じようというわけではない。東京の積雪は過去10年で10回程度、単に雪に慣れていない人々が普段とは違う行動をするためトラブルが起こりやすいというだけだ。6日に起きた山形新幹線「つばさ121号」のオーバーランというトラブルも果たして、そんな背景があるのだろうか。

JR西日本の新技術が「日ハムの新球場」に導入された納得の理由
点と点がつながる感覚と言ったらいいだろうか。本連載ではJR西日本が進める、外部の技術・ノウハウを活用した「オープンイノベーション」の成果を紹介してきたが、さらなるビジネス拡大を図るため昨年11月、鉄道本部イノベーション本部に「ソリューション営業企画部」を設置し、本格的な外販に乗り出したのである。点が線につながった過程と、さらに線を網にする今後の展開について、同部の井上正文部長に話を聞いた。

沖縄「ゆいレール」2両→3両化、“鉄道のない県”にモノレールが根付いた50年の歴史
先日、私用で9年ぶりに沖縄を訪れた。鉄道を目的とした旅行ではなかったが、沖縄赴任中の懇意の記者に「今夜、ゆいレール増備車の陸送がありますよ」と教えてもらったので、2月13日深夜、那覇港から那覇空港駅近くの車両基地までトレーラーで陸送される様子を見てきた。

「利権を放棄するワケがない」みなとみらい線開業でJRが横浜市に激怒したワケ【鉄道史】
横浜高速鉄道「みなとみらい線」への乗り入れ開始に伴い、東横線が横浜~桜木町間を廃止したのが2004年1月30日。今年はそれから20年となる。今回は桜木町を起点に東横線とみなとみらい線の歴史を見ていこう。

「券売機がない駅では…」JR九州の“不親切”ポスターに驚いたワケ
JR九州は1月22日から、鹿児島、宮崎、大分県を中心とした券売機未設置駅と新たに券売機を撤去した駅で、「QRコード乗車証明書」を一斉に導入した。JR九州の経営環境をふまえれば、券売機の設置縮小はやむを得ない部分はある。だが、スマホを持っていない人や、操作に不慣れな人を置き去りにする可能性もある。

京成上野~青砥「本線」なのに押上線より地味なワケ
京成電鉄京成本線の起点である京成上野駅が昨年12月10日、開業90周年を迎えた。今では押上線と比べて本線は地味な印象だ。しかし、かつて上野への乗り入れは、京成電鉄にとって悲願であり、その実現に至るまでには、さまざまな苦難があった。

京葉線のダイヤ改正に千葉県や沿線住民が猛反発!JR東日本が「異例の譲歩」に踏み切ったワケ
年末年始、鉄道業界に大騒動が降って湧いた。JR東日本が昨年12月に発表した今春のダイヤ改正で、通勤時間帯の京葉線上り快速・通勤快速の廃止が明らかになった。これにより、千葉県や沿線自治体から「容認できない」反発と戸惑いの声が相次いだため、1月になり、朝の快速2本に限り復活させる異例の「ダイヤ改正の修正」を余儀なくされた。JR東日本はなぜ快速・通勤快速を全廃しようとしたのか。

JR西日本「自動運転バス」ついに公道走行!もはや手動運転と変わらないレベル…【現地試乗】
JR西日本が開発中の「自動運転・隊列走行BRT」が、いよいよ公道を走りだした。昨年9月25日付『「自動運転バス」ここまできた!“格落ち”イメージ払拭?JR西とソフトバンクが公道で実験へ』で取り上げた通り、昨年11月から東広島市の西条駅から広島大学をつなぐ大通り「ブールバール」で実証実験に向けた準備走行を重ねていたが、ついに1月10日から自動運転・隊列走行の実証実験がスタート。筆者は同日に行われた報道公開と試乗に参加してきた。

能登半島地震にJAL機炎上…年明けの異常事態に「鉄道と航空の助け合い」が実現した意義
JR東海とJR西日本は昨年9月、東海道・山陽新幹線「のぞみ」について、繁忙期に全席指定席化すると発表した。それから初めてとなる今回の年末年始。自由席をなくしたことで、混乱は生じなかったのか。帰省ラッシュのピークに東京駅を訪れ、各列車の利用状況を取材した。

「丸ノ内線の終点」なぜ池袋になった?当初計画にあった“意外な駅”とは
銀座線と並ぶ東京の地下鉄の顔である丸ノ内線の第一期区間池袋~御茶ノ水間が1月20日、開業から70年の節目を迎える。戦前、丸ノ内線の「源流」に当たる計画では、新宿~大塚を結ぶ路線だった。戦後初の地下鉄である丸の内線は、いかにして今の形になったのか。

「もう20年か…」東京メトロ民営化20年で新線建設はどうなる?【2024年・鉄道注目イベントまとめ】
謹賀新年。2024年の到来である。まだまだ先のことと思っていた新線開業や新サービス開始が迫ってくると、時の流れの速さを感じるものだ。鉄道にとって今年はどんな一年になるのか、筆者の思い出なども交えつつ、カレンダー順に見ていこう。

JR3社で異なる「水素戦略」、JR西日本が“水素車両”開発だけにこだわらないワケ
JR3社は近年、相次いで水素を利用する燃料電池車両の開発を公表し、2030年代の実用化に向けて各種試験を進めている。その中でも注目すべきはJR西日本の取り組みだ。鉄道の水素化をどのように進めていくのか、鉄道本部イノベーション本部GX戦略課長である千田誠氏に話を聞いた。

JR西日本の「サバ養殖」事業はその後どうなったのか?
JR西日本は12月12日、13日の2日にわたって、同社の最新の取り組みを発表する「JR西日本グループイノベーション&チャレンジデイ」を開催した。現地で見た、数々の取り組みとは。

東京メトロ日比谷線の“中古車両”が上毛電鉄で運行へ…1両1.5億円でも全然「ボッタクリ」じゃないワケ
群馬県の前橋市と桐生市を結ぶ上毛電気鉄道は11月24日、約23年ぶりの車両更新を2024年から3年程度かけて行うと発表した。当初は新造車両を導入予定だったが、東京メトロ日比谷線で2020年まで使われていた「03系」車両を譲り受け、2024年2月から「800形」として運行することになった。計画が変更された理由とは。

JR3社の「水素車両」構想が水素自動車より現実的なワケ
水素で走る燃料電池電気自動車(FCV)の普及は進んでいないが、鉄道ではいずれ「水素時代」が訪れるかもしれない。昨年から鶴見線・南武線でFC車両の走行試験を行っているJR東日本に続き、JR東海とJR西日本が構想を発表したのである。各社の取り組みと実現に向けた今後の計画とは。

JR6社の業績が大幅回復、それでもJR北海道とJR四国が喜べない「深刻な理由」
JR旅客6社が2023年度中間決算を発表した。新型コロナの5類感染症移行による人流の活発化を受けて運輸事業が復調し、各社とも対前年同期で大幅な増収増益となった。

細田博之氏はなぜ鉄道族の重鎮となったのか…旧統一教会や「日韓トンネル研究会」との関係は?
自民党幹事長、総務会長、衆議院議長などを歴任した衆議院議員の細田博之氏が11月10日、79歳で逝去した。旧統一教会関連団体との密接な関係について説明責任が問われる中、体調不良を理由に衆議院議長を辞任してから1カ月後の急死であった。氏について政治的な評価を下すだけの知見を持ち合わせていない筆者だが、それでも今回、取り上げたのは、彼が「鉄道族」議員の重鎮だったからだ。

顔認証で改札ピッ、はまだ遠い?QRコード乗車券は実用化レベル【鉄道技術展2023】
11月8日から10日まで、幕張メッセで「第8回鉄道技術展2023」が開催された。新しい時代のニーズに応えた旅客サービスやメンテナンス業務にまつわる最先端技術・導入事例について、筆者が見てきたものからいくつかの興味深い事例を紹介したい。

「新京成電鉄」がついに消滅!終戦直後の“接待合戦”の歴史とは?
京成電鉄は10月31日、子会社の新京成電鉄を2025年4月に吸収合併することを発表した。終戦直後の1946年に設立された新京成電鉄の「80年の歴史」とは。

JR東日本、株式上場から30年「公共性と企業性」に揺れた歴史とは?
国鉄分割・民営化で発足したJR7社のうち、JR東日本が先頭を切って上場したのが1993年10月26日。それから丸30年がたった。JR上場の30年の歴史を振り返る。
