片田江康男
#9
根拠法のない無認可共済から発展した少額短期保険業界。その名残からか、今でも情報開示の消極性やコンプライアンス意識の欠如が課題として指摘され続けている。日本少額短期保険協会の渡邊圭介会長はこの課題解決に業界が一丸となって取り組むことなくして、業界の健全な発展は望めないと訴える。

ぜんち共済は、知的障がいや発達障がいなど、障がいのある人向けの保険を提供している少額短期保険業者だ。大手損害保険会社と組み、障がいのある人向けの日本初の商品を開発するなど、その社会的意義と商品開発力には業界内でも注目されている。同社の榎本重秋社長に話を聞いた。

#7
「大手生保+少短」の組み合わせに勝機を見いだし、第一生命保険や日本生命保険が市場参入を表明したが、実はその先駆けは「住友生命+アイアル少短」。両社は二人三脚で少短市場を開拓している。アイアル少額短期保険の安藤克行社長に、共存の強みについて話を聞いた。

#5
SBIインシュアランスグループは傘下に少額短期保険会社5社を抱え、家財保険や生保・医療保険のほか、ペット保険も手掛ける少額短期保険業界のコングロマリット。中でも生保・医療分野で業界トップのSBIいきいき少額短期保険は、来春に市場参入する日本生命保険の少額短期保険会社と正面衝突する可能性が高い。新村光由社長に話を聞いた。

#3
「家財」「生保・医療」「費用・その他」の主要3分野別「保険料」ランキングを一挙公開。三つの分野で上位に食い込む総合力トップは、銀行再編で注目を集める、あのインターネット金融大手だった。

#2
2020年4月に参入した第一生命保険子会社の第一スマート少額短期保険。日系四大生保の中で、新会社を設立して市場参入した初のケースであり、その成否が注目されていた。ところが、第1弾商品のコロナ保険は9月、新型コロナウイルスの感染爆発で、一部の契約受け付けを停止する事態に陥った。同社の誤算と今後の勝算について、高橋聡社長に話を聞いた。

#1
異業種からの新規参入が相次ぎ、かつてないほどに光が当たっている少額短期保険業界。一方、光が当たったことで以前から問題視されていた陰もまた、目立つようになっている。課題を抱えながら急成長する業界の今をレポートするとともに、戦況分析に欠かせない全社業績3期分のデータを一挙公開する。

東京海上グループのダイレクト系損保であるイーデザイン損保が、事故対応時の顧客満足度を上げるために、業界初となるサービスを開発中であることが分かった。実験では一定の成果を得られており、近々AIを組み合わせて、バージョンアップさせる計画もあるという。

第一生命ホールディングスは7月下旬から、中期経営計画に基づいた事業戦略説明会をオンラインで開催。今回、その中から隅野俊亮取締役常務執行役員による「グループ経営戦略」の説明を振り返る。第一生命グループは、どのような未来を描いているのか。

#24
東証1部上場企業が必ずプライム市場を目指すとは限らない。株価の急落を懸念して口が裂けても言わないが、自社の競争力とアイデンティティーを保つために、市場再編後はスタンダード市場で十分だと考える企業は多い。東証再編を冷ややかに見る企業の本音に迫った。

#16
東証の市場再編を受けて、プロ投資家向けの「東京プロマーケット」に熱い視線が注がれている。業界内では、新規上場企業数は今年、過去最大になると予想されている。これまで見向きもされなかった市場がなぜ注目されるのか。

#11
地方に拠点を置く東証1部上場企業は、その地域の消費や雇用を支える地方経済の要だ。だが、そんな地方の“名士”たる企業にも、容赦なくプライム落ちの危機が迫る。各地方で繰り広げられている、絶対に落ちることができない戦いを追った。

毎年7月から9月にかけて、大型台風や集中豪雨による風水害が多発する日本。そんな日本の環境を最大限活用した“ビジネス”が今、猛威を振るっている。契約者をだまし、不正な保険金請求を指南したり代行したりする火災保険コンサルタントだ。契約者は知らずに保険金詐欺に加担してしまう可能性もあり、注意が必要だ。

大手生命保険各社の21年度第1四半期決算が出そろった。1回目の緊急事態宣言が発令された20年4月からと比較して、21年4〜6月期の新契約獲得はどのように推移したのか。激戦となっている代理店市場での営業力分析も行った。

生命保険の販売において今、最も競争が激しいのが乗り合い代理店市場だ。国内大手生命保険会社は相次いで子会社を設立し、攻勢を強めている。競争を優位に進めているのは住友生命保険の子会社であるメディケア生命保険。最新の21年度第1四半期(1Q)決算の数字でも、その勢いが明らかになっている。

ESG投資を本格的に進める生命保険業界。中でもアクサグループは早くからESG投資が進められてきた欧州を本拠地とするだけあり、そのノウハウが豊富だ。アクサ・ホールディングス・ジャパンの安渕聖司社長に話を聞いた。

【特別編】
若手弁護士たちから注目を集めている法律事務所ZeLoとリーガルテック企業のLegalForce。創業者で両組織を率いる小笠原匡隆弁護士と角田望弁護士に、将来像と強み、創業のきっかけを聞いた。

大手損害保険会社各社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を競うように開発、導入を進めている。国内外のベンチャー企業と提携したり、社内にデジタル戦略に関する部署を立ち上げたりして、全社横断的に改革を進めている。その中で、代理店営業支援システムは今年に入ってから本格的に導入が始まった。導入競争の深層を探った。

【特別編】
弁護士の実務に本格的に利用され始めているリーガルテック。中でも契約書締結に関わる業務を、自然言語処理技術を活用して効率化・標準化を目指すMNTSQ(モンテスキュー)は、業界内でも一目置かれる存在だ。長島・大野・常松法律事務所の現役のアソシエイト弁護士でもある板谷隆平CEOに話を聞いた。

東芝圧力問題で片棒を担いだ「西村あさひ」、揺らぐ五大法律事務所の信頼と序列
弁護士、司法書士、社会保険労務士は、法務や労務手続きに関する専門知識を持つ、企業にとって欠かせない存在だ。文系エリートの彼らは腕一本で稼ぐ“一匹おおかみ”としての顔を持つ一方、一般企業の社員と同じく熾烈な序列競走を戦いながら、日々変化するテクノロジーや顧客ニーズへの対応を迫られている。3士業の内実に迫った。
