2022.12.4 新日本酒紀行「浦霞禅」 創業1724年の佐浦は、1800年代より陸奥国一之宮鹽竈神社の御神酒酒屋も務め、佐浦弘一さんで13代目という老舗蔵だ。代表銘柄は1973年から支持される「純米吟醸 浦霞禅」。12代目の父茂雄さんは、松島瑞巌寺出身の僧侶から、フランスで禅の関心が高…
2022.11.27 新日本酒紀行「おがわの自然酒」 耕作面積の約19%が有機栽培という埼玉県小川町。有機農業の里として知られ、中でも下里地区は、地域ぐるみの取り組みが、2010年の農林水産省主催「豊かなむらづくり全国表彰事業」で最高賞の天皇杯を受賞。そのきっかけをつくった金子さんは、1971…
2022.11.13 新日本酒紀行「とおの どぶろく」 米を削って雑味をなくし、きれいな酒を造る……常識とされる今の日本酒造りを覆し、美しいどぶろくを造る佐々木要太郎さん。米農家で杜氏、「とおの屋 要」の料理人だ。田んぼの特性を見極めて土壌を考え、農薬や肥料は一切不使用。生態系を利用し…
2022.11.6 新日本酒紀行「金紋秋田」 1989年、孝さんが30歳で蔵を継いだとき、酒は特徴がなく、営業力も技術力もなかった。香り華やかな大吟醸がブームだったが「同じことをしても勝ち目はない」と、正反対のうま味主体の熟成酒へと舵を切る。14年間熟成させた酒が濃醇な味に変わり、IW…
2022.10.30 新日本酒紀行「月の輪」 日本最大の杜氏集団である南部杜氏の発祥地、岩手県紫波町。この地で1886年に創業した月の輪酒造店のモットーは「企業としてではなく家業として」、そして「飲み飽きせぬ酒」だ。初代は隣町の矢巾町で麹屋を営んでいたが、酒を造りたいと一念発起。…
2022.10.23 新日本酒紀行「辻善兵衛」 関東平野北部の栃木県真岡(もおか)市は、イチゴと米の栽培が盛んな地で、真岡鐵道のSL目当てに鉄道ファンが集う。そのSLの汽笛が聞こえる酒蔵が辻善兵衛商店だ。
2022.10.2 新日本酒紀行「木花之醸造所」 浅草の駒形橋西詰めたもとで、2020年6月に小さなどぶろく醸造所が誕生した。酒造りを見ながら、フレッシュなどぶろくが飲めて買える。代表の細井洋佑さんは、元々ブルワリーパブの経営者。クラフトビール同様に、どぶろくや果実などを加えたクラフ…
2022.9.18 新日本酒紀行「北の錦」 令和に入り、11から16に酒蔵が増えた北海道。その酒造りは明治期の開拓から始まった。寒冷過ぎて稲が育たず、発酵せず、酒造りは困難を極めたが、本州米を使い、れんが造りで防寒し、道産の石炭をたくなどの工夫で、昭和初期には150蔵に増えた。だ…
2022.9.11 新日本酒紀行「国士無双」 日本一の最低気温であるマイナス41度(1902年)の記録を持つ北海道旭川市。厳寒の地の酒蔵、髙砂酒造の名物は、新酒を詰めたタンクを雪で覆って100日間熟成させた雪中貯蔵酒だ。
2022.9.4 新日本酒紀行「一と会」 酒造りは酒蔵、米作りは農家が担うのが一般的だが、酒蔵でも農家でもない、機能性フィルムメーカーのきもとが、酒造りに関わって3年たった。本社は埼玉県さいたま市だが、1979年に創業社長、木本氏仁さんが「なるべく自然の状態を残した工場公園を…
2022.8.28 新日本酒紀行「酔楽天」 李白、杜甫と共に中国の三大酒飲み詩人といわれた酔吟先生こと白楽天が、酒名の由来の大吟醸「酔楽天」。30年以上前に秋田酒造が最高級の酒を目指し、県内でも大吟醸酒の先駆けだ。上品な味わいは、当時の県知事の御用達となり、繁華街川反で圧倒的…
2022.8.21 新日本酒紀行「萌稲」 米どころ秋田を代表する酒米生産地の湯沢市で、“秋田の美酒を全国へ”と、1922年に県内の酒造家と政財界人が協力し、「美酒爛漫」醸造元の秋田銘醸が設立された。近代設備をそろえて稼働し、自動化の進んだ御嶽蔵と、高級な大吟醸を造る雄勝蔵の2…
2022.8.7 新日本酒紀行「SAKE×AWAMORI」 日本酒には大きく分けて2系統ある。米と米麹だけで醸す純米系と、醸造アルコールの添加系だ。添加する理由には、香りや味の向上や、火落菌の繁殖防止などがあり、日本酒全体の約8割は添加系が占める。福井市の田嶋酒造の蔵元杜氏、田嶋雄二郎さん…
2022.7.31 新日本酒紀行「花邑」 秋田県湯沢市は東洋一と称された佐竹藩直営の院内銀山があり、1606年から1954年の閉山まで興隆を極めた。豪雪地帯で水に恵まれ、良質な米の産地に発展。そんな湯沢で1874年に創業した両関酒造。7代伊藤仁右衛門は、日本醸造協会の酒造技術講習会を…
2022.7.17 新日本酒紀行「平和どぶろく」 銀行発祥の地で、東京証券取引所と共に発展した金融の街、東京・日本橋兜町。2009年に株が電子取引化されると、証券会社は引越し、激減する。現在は再開発により、感度の高いホテルやカフェが集う街に進化中だ。今年の6月に木造ハイブリッド構造で…
2022.7.10 新日本酒紀行「天鷹」 栃木県大田原市の天鷹酒造は、地元消費8割の地酒蔵。蔵元の尾﨑宗範さんは、安心・安全な酒造りを目指し、2000年に有機JAS法が制定されると勉強を開始した。有機栽培米は収量が少なく、有機加工場の認証は難易度が高いが、挑戦を決意。05年から、当…
2022.7.3 新日本酒紀行「喜三郎の酒」 秋田県能代市の喜久水酒造は、全国でも珍しいトンネル貯蔵庫を持つ。年間を通して12度前後で太陽光が当たらず、光が苦手な日本酒の熟成に向く。しかも、電気不要のエコ貯蔵庫だ。「酒に色が着かず透明なまま熟成し、まろやかになります」と7代目で…
2022.6.26 新日本酒紀行「narai」 日本遺産の木曽路の玄関口、奈良井宿。千本格子の町並みが続き、江戸時代の面影を色濃く残す、標高940mの地で日本最長を誇る宿場町だ。この宿で休眠していた杉の森酒造が、2021年にsuginomori breweryとして復活。地域再生計画で蔵を宿泊施設にする…
2022.6.19 新日本酒紀行「ハッピーどぶろく」 2021年12月、新たに「湖のスコーレ」が開業。スコーレとはギリシャ語で学校を意味し、暮らしの知恵を学ぶ商業文化施設だ。ここの醸造室を担うのが、ハッピー太郎こと池島幸太郎さん。大阪生まれの滋賀育ち。京都大学文学部で美学美術史を専攻。在学…