続けて記す。

「競争政策は、事業者が新規参入や創意工夫できる環境を整えることで、競争を促し、消費者が良質な商品・サービスを得られるようにすること」と位置付ける。さらに、「消費者が商品・サービスを比較・選択することで事業者に改善を促すことを目指す」と、相当の意気込みようだ。

 そこで、(1)新規参入が可能か、(2)公平な条件下での競争があるか、(3)創意工夫が発揮されているか、(4)利用者の選択が適切に行われているか――、この4つの切り口で、介護保険制度の分析に挑んだ。なかでも、(3)の事業者の創意工夫は、利用者に役立つ新サービスの創出であり、産業としての発展につながる重要な要素だという。

訪問介護先で同居家族のためにもサービスができる

 そこで具体例として挙げたのが、訪問介護でのヘルパーによる同一時間内での家族のためのサービスである。

「保険内サービスの提供時間内に利用者の食事の支度をすることと併せて、帰宅が遅くなる同居家族の食事の支度もするといった保険外サービスを組み合わせ」と記す。

 解禁すれば、介護家族の負担減になる。「保険外の分の費用は追加料金とする」と説明。洗濯、掃除、買い物なども同様である。要介護者だけでなく家族の衣類も一緒に洗濯し、掃除も家族の部屋まで掃除機をかける。買い物も同じだ。

 同様のサービスを時間をずらして行い、保険内と保険外が明確に区分されれば認められている。保険外サービスを「地域の助け合い活動」として取り組んでいるNPO法人は多い。有償ボランティア事業である。介護家族からの要望に応えたものだ。

 保険内サービスの掃除や洗濯の時は赤いエプロンを着け、引き続きペットの餌やりや家族の部屋掃除の保険外サービスに移れば、青いエプロンに変えて、利用者が一目で違いを判別できるよう工夫している事業者もある。

 自治体によっては、「保険内と保険外の明確な区別」に相当の温度差があり、事業者が戸惑うケースもある。

 また、報告書は特定のヘルパーに頼みたい利用者には、「指名料を徴収しては」とも記す。デイサービスの時間中に、「介護士の介助の下、簡単な買い物に付き合ってもらうこともできない」とも指摘する。