「長く働き続けたい職場」を
つくれていますか?
では、アルバイトに辞められないために、どんな「出口対策」が考えられるでしょうか? たとえば「時給アップ」はどうでしょうか?
今回の調査では、じつは時給がアルバイトの離職防止に与える影響は、それほど高くないという結果が出ています。また、時給が同じでも、アルバイトが長続きする職場とそうでない職場があります。だとすると、「ウチは時給が安いから『出口対策』なんて無理だよ!」などとは言っていられないかもしれません。
では、アルバイトが長続きする職場には、どんな特徴があるのか?調査の結果として見えてきたのは、アルバイトの成長段階それぞれに応じて、やはりそれなりの“正解”がありそうだということです。アルバイトの成長には、次の4つのステージが考えられます。
(1)採用ステージ(募集・面接の段階)
(2)新人ステージ(入社1ヵ月未満の受け入れ段階)
(3)中堅ステージ(入社1ヵ月以上の成長段階)
(4)ベテランステージ(リーダー・教育係の段階)
今回の調査によれば、長続きする職場(=定着率の高い職場)では下図のような共通点が見られます。
さらに大切なのは、このそれぞれがお互いに結びつき合っているということです。どれか1つに注力すればいいというものではなく、それぞれの局面での取り組みがほかのスタッフにも影響を与えるような構造になっています(下図)。
したがって、本当の出口対策は、4つのステージを見据えた職場づくりにほかなりません。これは裏を返せば、どれか1つでも欠けている部分があれば、たちまちに悪循環が生まれ、アルバイトが長続きしない職場になりかねないということです。
その意味で、「人手不足が“原因”になって職場がダメになっている」のではなく、「職場づくりができていないから、人手不足という“結果”になっている」という発想の転換が必要なのです。
□人手不足に悩む店長ほど、採用ばかりに目が行きがちである
□アルバイトの離職を防ぐ「出口対策」が盲点になっている
□スタッフを採用する以前に、定着を促す「職場づくり」が重要である